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(2)天気予報の恋人 [ドラマレビュー]

先週に続いて、『天気予報の恋人』第2話です。
第1話もまだご覧いただけますのでお早めにどうぞ。


(4/29まで。本編動画の掲載は終了しました。)

『 天気予報の恋人 』
Vol.2
( 2000年 フジテレビ=共同テレビ 全12回 )

今回は早知(稲森いずみ)が矢野(佐藤浩市)に対する特別な感情を確信するに至る回です。
注目はラストシーンで、早知を魅力的に見せる仕掛けにあふれています。
早知は矢野の人柄を知れば知るほど、矢野に嘘をついているのが苦しくなっていきます。
それはすなわち、矢野への好意がもうのっぴきならないものになっていることを意味しています。

「矢野さん、あの・・・唯川幸は・・・」

真実がのど元まで出掛かりますが、彼女はすぐに現実に引き戻されるのです。
そして帰る道すがら、本当は言ってしまいたいこの続きをはっきりと独り言ちるのです。

「唯川幸は、私じゃないです!」

これは早知の苦しさと良心が詰まった真っ直ぐな言葉であり、
稲森いずみさんのお芝居が早知の複雑な感情をうまく伝えていると思います。
また、これは次回に向けてぜひ覚えておいていただきたい台詞でして、
第3話では早知と祥子(深津絵里)、二人の立場の対比がもうひとつの台詞によって見事に表現されます。

演出的には、このラストシーンで矢野のバックショットを入れ込んでいるところが女性ディレクターらしいかなと思います。
これは当然、早知の視点を表現するカットであり、男の背中にセックスアピールを見出す女性主観の演出です。

2012042102.jpg2012042101.jpg

このカットがなくてもこのシーンは十分に成立しますし、早知の表情を見せることも重要ですから、
男性ディレクターのイマジネーションではこのカットはなかなか創造しづらいかもしれません。
私がディレクターなら早知の嬉しそうな顔を見せるだけで満足してしまうと思います。
細かいところですが女性監督ならではのディレクションにも注目してみてください。

矢野克彦(40) - 佐藤浩市
:気象庁の主任予報官。バツイチで月に二度の娘との面会を何より楽しみにしている。女心に鈍感なお天気オタク。
原田早知(28) - 稲森いずみ
:ラジオ局の食堂でアルバイトをしている訳ありシングルマザー。夜はキャバクラで働く。天真爛漫な明るさが魅力。
金子祥子(27) - 深津絵里
:恋愛のスペシャリスト・唯川幸としてラジオDJを務める。実際は恋愛に臆病な超オクテ。早知とは正反対の性格。
田口正二(30) - 矢部浩之(ナインティナイン)
:気象予報官。まだ見ぬ唯川幸の大ファンで、矢野が二人のサチと出会うきっかけを作る。周りが見えていないところがある。
須藤郁子(25) - 米倉涼子
:気象庁の事務官。普段は無口で化粧気がないが、実は器量よしの隠れ美人。軽薄な田口の言動に嫌悪感を抱いている。
白石潤子(38) - 原田美枝子
:矢野の前妻。矢野を嫌いになって別れたわけではなく、結婚後は彼の女性観に疑問を持ち続けていたようだ。

 脚本
音楽
演出
プロデュース
-
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岡田惠和
溝口肇
星田良子(共同テレビ)
高井一郎(フジテレビ)、松村俊二(共同テレビ)

引用元:Wikipedia(というか私が書いた)

関連記事 : (12)天気予報の恋人 (2012-07-04)
(11)天気予報の恋人 (2012-06-23)
(10)天気予報の恋人 (2012-06-16)
(9)天気予報の恋人 (2012-06-10)
(8)天気予報の恋人 (2012-06-03)
(7)天気予報の恋人 (2012-05-26)
(6)天気予報の恋人 (2012-05-19)
(5)天気予報の恋人 (2012-05-12)
(4)天気予報の恋人 (2012-05-05)
(3)天気予報の恋人 (2012-04-28)
(1)天気予報の恋人 (2012-04-14)


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  • e97h0017e97h0017フジテレビ『カエルの王女さま』。第1話を観て映画「フラガール」を思い出した方がどれだけいるだろう。現実的裏づけがない分ストーリーは白々しく見えてしまう。そして私が最も嫌うタイプの演出。音編と画面分割、細かいカット割が押し付けがましい。監督と演者が楽しいのはよくわかった。リタイア。04/17 19:28
  • e97h0017e97h0017テレビ朝日『都市伝説の女』第1話。長澤まさみちゃんがコメディの方法論を熟知しているのはよく知っているが、どうも演出がこじまんりとしていて彼女の才を引き出せていないような気がする。「妄想捜査」ぐらい荒唐無稽な演出でもいいと思うが、初チーフ作品の星野和成監督には多くは期待できないか。04/17 20:44
  • e97h0017e97h00172シーンばかり内堀が見えるロケーションがあったが、テレビドラマではありそうでなかった絵で新鮮だった。桜田門のあたりは東京を代表する実景と言っても過言ではないから、警察ものでもあるし存分に活用していただきたい。それはそうと、あれは森高千里以来の美脚だろう。こちらも存分に活用すべし。04/17 20:54
  • e97h0017e97h0017テレビ朝日『ナツメのオミミ』。「眉毛の黒から明るい場所へ開けていく感じで初回放送の清々しさを表現したかった。早口言葉は頭を空っぽにするための手段に過ぎない」夏目ちゃんの眉毛に着目したのはよいが、それ以外はなんだかよくわからない。それでもこれが彼の演出家デビューだと思うと羨ましい。04/17 21:52
  • e97h0017e97h0017テレビ雑誌で『都市伝説の女』の長澤まさみちゃんのインタビューをいくつか読んだ。監督からはまさみちゃんそのままのイメージで月子を演じて欲しいと言われているらしい。キャラクター作りを女優に丸投げとは監督としていかがなものか。初回で言えば月子の部屋がいたって普通だったのはいただけない。04/18 19:35

Twitter 20120417 [Twitter]

  • e97h0017e97h0017『白い影』第8話。こんなにかわいい女がいるだろうか。否、これはドラマの中にしか存在できないヒロインなのである。我々はこんなにも魅力的な女性を創造した竹内結子を賞賛せねばなるまい。仮に本作が月9ならば、私は村瀬亜樹と並ぶ最高のヒロインにする。http://t.co/UnjV4F8J04/16 19:28
  • e97h0017e97h0017『白い影』最終話。人は死に際してわがままになることが許されているのかもしれない。わがままになれたからこそ直江は自分が生きた証を残せたのである。それを受け止める強さを持った人と出逢えたことが彼の人生において最大の僥倖だった。本作のテーマは我々が人生について考える手掛かりとなりえる。04/16 23:36
  • e97h0017e97h0017寄り添って湖を見つめる二人の強い意志を秘めた眼差し。直江は「死」に向けて、倫子は「生」に向けて、それぞれ勇気と希望を獲得することができた。方向性は違っても二人が力を合わせて獲得したものであることに変わりはない。明確な意味とそれを伝える力強さを持った素晴らしいラストカットであった。04/16 23:43

タグ:竹内結子

Twitter 20120415 [Twitter]

  • e97h0017e97h0017『新・週刊フジテレビ批評』。今回のクリティークトークは「経済報道」というアプローチ。経済学者の木幡績氏が興味深いことを仰っていた。「発信側が感動したもの、発見したものを全力で伝える」「出し手が感動しないものは見てても感動しない」すべてのテレビマンが耳を傾けるべき重要な提案である。04/14 07:53
  • e97h0017e97h0017『白い影』第3話。倫子が直江のことを好きになったのは、川沿いのレストランで食事をするシーンじゃないだろうか。それを物語っているのが直江に自分の仕事を認めてもらった後の竹内結子ちゃんの目のお芝居。恥ずかしくて目を泳がせる中で一瞬だけ直江を見る。結子ちゃんの演技プランの可能性が高い。04/14 08:41
  • e97h0017e97h0017『白い影』第4話。今回のラストは第2話のラストに続く名シーン。ラス前でなぜ直江のバックショットしか見せないのかと思ったら、ラストの表情を印象付けるためだった。直江の涙を見た倫子の衝撃を視聴者は共有する。TBSの演出陣はタレントが揃っている。一方でプロデュース力の減退は近年著しい。04/14 12:14
  • e97h0017e97h0017『白い影』第5話。ラストの主題歌導入のタイミングが惜しい。名作なだけになおさら惜しい。「真夜中のナイチンゲール」はしっかりと泣ける主題歌なのである。改めて言えばタイトルバックも秀逸。歴代のTBSドラマの中でも屈指の出来と言ってよい。そういえば松原弘志さんの名前を見かけなくなった。04/14 14:43
  • e97h0017e97h0017TBS『もう一度君に、プロポーズ』ナビ。無性に和久井映美ちゃんのお芝居を見たくなってきた。随分ご無沙汰な感じがする。考えてみたら私の青春時代を彩ってくれた女優さんのひとり。ただ共同テレビの完パケなんだよなぁこれ。申し訳ないが私は森安Pのドラマをおもしろいと思ったことが一度もない。04/14 14:59
  • e97h0017e97h0017『白い影』第6話。また名シーンがきた。今回は主題歌導入のタイミングが完璧だった。川⇒ボート⇒ガラス片⇒たんぽぽ・・・二人の共通点を大きなものから次第に具象化させて最終的に二人を結びつける。そしてこの美しい台詞。「君は不思議な人だな。こんな冬に、春をみつけて」洗練された脚本である。04/14 16:16
  • e97h0017e97h0017演出的には福澤克雄監督の回が際立って素晴らしい。第4話のラストでは直江の表情を秘匿したが、今回は直江の無表情をバッチリ見せている。表情に出さない直江の感情の変遷はガラス片を握る手とオールを取る手のカットだけで見事に表現されていた。この頃のTBSのドラマ、どんだけレベル高いんだよ。04/14 16:45

(1)天気予報の恋人 [ドラマレビュー]

こんにちは。新ドラマがぽつぽつと始まって、皆様、お忙しい日々迎えつつあるといったところでしょうか。
ジャニスカ的には、今クールは毎回詳細なレビューを執筆することになるドラマはありそうもないのが残念ですが、
その代わりと言っては何ですが、過去の名作ドラマにスポットライトを当てて、若干のレビューを書き加えていこうと考えました。
今クールは、『最後から二番目の恋』の興奮冷めやらぬというタイミングでもあるので、
同じく岡田惠和さんが脚本を手がけた『天気予報の恋人』(2000年)を紹介することにしました。

『天気予報の恋人』は、「月9」では珍しくフジテレビが共同テレビと共同制作したラブストーリーです。
フジテレビの高井一郎Pは、初プロデュース作品となった『ビーチボーイズ』(1997年)以来、
岡田惠和さんとの仕事が多かったプロデューサーで、本作は『彼女たちの時代』(1999年)に続く三作目。
この後は『アンティーク~西洋骨董洋菓子店』(2001年)、『僕だけのマドンナ』(2003年)と共作が続きます。
ジャニスカ的には、初期の岡田作品の中では一、二を争う大好きなドラマがこの『天気予報の恋人』です。

みどころは、稲森いずみさんのキュートなお芝居と深津絵里さんの健気なお芝居、
そしてどこにでもいそうで実はいない、佐藤浩市さん演じる主人公のふわっとしたいい男っぷりです。
とにかく魅力的なキャラクター造形こそがこのドラマ最大の特徴ですので注目してみてください。
また、どこかファンタジーっぽさが感じられるのも初期の岡田作品らしいところで、
共同テレビの星田良子監督の演出がぴったりとまっていた作品でもあります。
今回で言えば、日比谷公園でヒロインの早知が写真撮影をするシーンが私は大好きです。

DVD化がなされていない作品ですので、この機会にぜひご覧ください。原則一週間で削除します。お早めにどうぞ。
ただし、FC2動画は時間帯によっては見られない場合があります。また、非会員の方は視聴回数に制限があります。
主要な登場人物について、簡単ではありますが下で補足説明をしています。参考にしてください。


(4/22まで。本編動画の掲載は終了しました。)

『 天気予報の恋人 』
Vol.1
( 2000年 フジテレビ=共同テレビ 全12回 )

矢野克彦(40) - 佐藤浩市
:気象庁の主任予報官。バツイチで月に二度の娘との面会を何より楽しみにしている。女心に鈍感なお天気オタク。
原田早知(28) - 稲森いずみ
:ラジオ局の食堂でアルバイトをしている訳ありシングルマザー。夜はキャバクラで働く。天真爛漫な明るさが魅力。
金子祥子(27) - 深津絵里
:恋愛のスペシャリスト・唯川幸としてラジオDJを務める。実際は恋愛に臆病な超オクテ。早知とは正反対の性格。
田口正二(30) - 矢部浩之(ナインティナイン)
:気象予報官。まだ見ぬ唯川幸の大ファンで、矢野が二人のサチと出会うきっかけを作る。周りが見えていないところがある。
須藤郁子(25) - 米倉涼子
:気象庁の事務官。普段は無口で化粧気がないが、実は器量よしの隠れ美人。軽薄な田口の言動に嫌悪感を抱いている。
白石潤子(38) - 原田美枝子
:矢野の前妻。矢野を嫌いになって別れたわけではなく、結婚後は彼の女性観に疑問を持ち続けていたようだ。

脚本
音楽
演出
プロデュース
-
-
-
-
岡田惠和
溝口肇
星田良子(共同テレビ)
高井一郎(フジテレビ)、松村俊二(共同テレビ)

引用元:Wikipedia(というか私が書いた)

佐藤浩市さん目当てで、かろうじて『鍵のかかった部屋』を観るつもりでしたが、
本作を久しぶりに観て満足したので、別にもう観なくてもいいやと思いました(^^:。

関連記事 : (12)天気予報の恋人 (2012-07-04)
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