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2013年第1四半期のドラマ [ドラマレビュー]

TermTitleKey StationCastScriptC.D.RatingMy Rating
1ラストホープフジテレビ相葉雅紀、多部未華子浜田秀哉葉山裕記10.64%★★★☆☆
サキ関西テレビ仲間由紀恵渡辺千穂今井和久9.58%★★★☆☆
書店員ミチルの身の上話NHK戸田恵梨香合津直枝合津直枝6.06%★★★★
最高の離婚フジテレビ瑛太、尾野真千子坂元裕二並木道子11.85%★★★★★
夜行観覧車TBS鈴木京香、石田ゆり子奥寺佐渡子塚原あゆ子11.55%★★★★★
まほろ駅前番外地テレビ東京瑛太、松田龍平大根仁大根仁★★★☆☆
アテルイ伝NHK(BS)大沢たかお西岡琢也佐藤峰世-★★★☆☆
メイドインジャパンNHK唐沢寿明井上由美子黒崎博9.73%★★★★★
泣くな、はらちゃん日本テレビ長瀬智也、麻生久美子岡田惠和菅原伸太郎10.24%★★★★
神様のボートNHK(BS)宮沢りえ、藤木直人源孝志源孝志-★★★☆☆
極北ラプソディNHK瑛太、加藤あい宮村優子西谷真一 6.10%★★★★
 ※ 脚本担当者が複数いる作品については、トップクレジットを表記している。※ 視聴率は全話の加重平均(ビデオリサーチ社、関東地区)。

【 総評 】 今クールは強烈なインパクトを残したドラマはありませんでした。ジャニスカ的には心から好きと思えるドラマがなかったのは残念ですが、視聴したドラマの中ではクオリティを酷評しなければならないような作品はありませんでした。

ジャニスカ的最優秀作品賞
  最高の離婚
(フジテレビ)
 
 <優秀作品賞>
『メイドインジャパン』
(NHK)
『夜行観覧車』
(TBS=ドリマックス)
 

【 作品 】 『最高の離婚』は楽しかったですね。ジャニスカ的には前半は心をえぐられまくってましたけど、手法はコメディだったわけですし、最終的には登場人物も受け手もしっかりと救われる作品になっていました。『夜行観覧車』は期待を裏切らない結末で、やっぱり湊かなえさんは東野圭吾氏と並んで映像向きの作風なんだと思います。また今クールでは唯一最終回が最高視聴率だった作品です。『メイドインジャパン』はほぼ時事ネタと言っていい内容で、NHKのドラマは時代を切り取るというテレビの使命を果たしてくれています。

ジャニスカ的最優秀監督賞
 黒崎博
(NHK/『メイドインジャパン』)
 
 <優秀監督賞>
宮本理江子・並木道子・加藤裕将・宮脇亮
(フジテレビ/『最高の離婚』)
塚原あゆ子・山本義剛・棚澤孝義
(ドリマックス/『夜行観覧車』)
 

【 演出 】 『メイドインジャパン』は、目下の日本の社会情勢を踏まえた平行世界の物語であり、だからこそ青臭い理想論が違和感なく成立できたところがあると思います。現実に直結する世界で夢を語るとただのキレイ事になりかねない主張をフィクションの世界で成立させるためには、あえて現実世界とのリンクを断つような世界観の提示が不可欠だったと思います。タクミ電機の古い製品が積み上げられた倉庫や再建戦略室のオフィスの雰囲気、中国の工場が醸し出す日本人を疎外するかのような異国感・・・ひとつひとつの画やシーンにそれだけでメッセージを伝える力がこもっていたし、それによって現実と乖離したドラマの世界観を視聴者に植えつけることに成功していました。改めて演出の力ってすごいなと思います。そして現実へのフィードバックは我々が行うべき作業です。『最高の離婚』は、主要な登場の人物の会話では長回しが多用されていて俳優陣の芝居に大きく依存した正攻法の演出が試みられていました。これはフジテレビ宮本班の十八番であり、そのDNAを若手ディレクターが確実に継承していることが確認できました。第9話にはおよそ16分半にも及ぶ長回しのシーンがあった他、主に浜田家のマンションに据え付けられた定点カメラの画面もテレビドラマでは目新しいものでした。『夜行観覧車』は、今クールではもっとも情緒豊かな画作りがなされていたと思います。また、こちらも『メイドインジャパン』と同様に演出による世界観の提示が行われていて、特に観覧車を使った時系列の転換は見事でした。大過去においては観覧車の建造風景、直近の時系列では運行風景の早送りと逆回しによって時間軸の転換が一貫して表現されています。言うまでもなくこれらの観覧車の映像は主題を暗示する役割も担っていました。

ジャニスカ的最優秀脚本賞
 坂元裕二
(『最高の離婚』)
 
 <優秀脚本賞>
井上由美子
(『メイドインジャパン』)
岡田惠和
(『泣くな、はらちゃん』)
 

【 脚本 】 『最高の離婚』のテーマそのものは、テレビドラマではお馴染みの夫婦や結婚生活、離婚といったものですし、結論についても奇をてらった印象はありませんでした。ただ、表現方法と切り口が坂元さんのこれまでの作風とは一線を画していて、特にコメディという方法論は『最後から二番目の恋』の影響を感じさせるもので、現実的で切実なテーマを含んだストーリーに視聴者を惹きつけておくためには、今となっては最良の方法だと思われます。台詞回しについても、一見どうでもいいような会話でストーリーを展開させるなど、大変巧妙な仕掛けが随所で見られました。そして何より会話劇のテンポの良さが観る者を飽きさせなかった点を高く評価したいと思います。また、主人公夫婦を結婚に導いたのが震災だったという点が大変重要な意味を持っていたし、比較的若い世代の結婚と離婚にスポットライトを当てている点も時代を反映したものかもしれません。

全体的にベテラン脚本家の活躍が近年の趨勢のようです。若手の中では『ラストホープ』の浜田秀哉さんに大きな期待を寄せていたのですが、ラストがちょっと期待はずれでした。きれいにまとまりすぎていて、引っかかりのないドラマになってしまった印象です。ただし、何度も過去シーンをカットバックしていく手法は斬新で、そのチャレンジは評価しています。

ジャニスカ的最優秀主演男優賞 ジャニスカ的最優秀助演男優賞
瑛太
(『最高の離婚』『まほろ駅前番外地』『極北ラプソディ』)
 高橋克実
(『メイドインジャパン』)
<優秀主演男優賞>
長瀬智也
(『泣くな、はらちゃん』)
 <優秀助演男優賞>
高良健吾
(『書店員ミチルの身の上話』)

【 男優 】 今クールは瑛太くんばかり見ていた印象。ジャニスカ的には映画『好きだ、』(石川寛監督)、DVDドラマ『東京フレンズ』(エイベックス)と合わせると合計5作品で彼の顔と芝居を見たことになります。『最高の離婚』で見せてくれたがっつりコメディ路線の瑛太くんは新鮮だったし、『まほろ駅前番外地』の多田のような無頼の役も最近ではすっかり板についてきました。そして『極北ラプソディ』のような正義感あふれる正統派のいい男もやっぱり似合うんですよね。短期間でこれだけベクトルの違う役柄を次々と見せられてしまうと高く評価しないわけにはいきません。渡辺謙さんが注目している若手俳優として名前を挙げていたし、次は映画で見たい俳優さんなんですが、映画ではあまり作品に恵まれている印象がありません。代表作が未だに『余命一ヶ月の花嫁』なんて悲しすぎるでしょ。『メイドインジャパン』の高橋克実さんは、単純に今クールで一番泣ける芝居をしてくれたということです。主人公に裏切られ、裏切る、というような役だったわけですが、そのような表面的な事実では語れない複雑な心理が介在しているというキーパソンでした。熱い技術者魂を冷徹な仮面で隠し、クライマックスの記者会見のシーンではそれを解き放つような芝居に心揺さぶられました。中国語でのお芝居も素晴らしかったです。

ジャニスカ的最優秀主演女優賞 ジャニスカ的最優秀助演女優賞
戸田恵梨香
(『書店員ミチルの身の上話』)
 石田ゆり子
(『夜行観覧車』)
<優秀主演女優賞>
鈴木京香
(『夜行観覧車』)
 <優秀助演女優賞>
麻生久美子
(『泣くな、はらちゃん』)

【 女優 】 『書店員ミチルの身の上話』の戸田恵梨香ちゃんは、期待通り一皮向けたお芝居を披露してくれました。脳天気で世間知らずだった普通の女の子から、人間同士の真摯な関わりを大事にする地に足の付いた女性までの成長が作品を通じて見事に表現されていたと思います。『夜行観覧車』の石田ゆり子さんは、『メイドインジャパン』の高橋克実さんと同様、気持ちを隠す芝居がストーリー上とても重要で、こちらも作品の成否を握っていたと言ってもいいキーパーソンであり、終わってみれば大変難しい役どころだったと思います。鈴木京香さんは主演としては流石の安定感。鬼気迫るお芝居もありました。『泣くな、はらちゃん』の麻生久美子ちゃんはキュートでしたね。映画では見せない表情をたくさん見ることができたのは嬉しかったです。

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