古都(2016年) Twitter 20161214 [Twitter]
e97h0017Yuki Saito監督『古都』。京都とパリ、鴨川とセーヌ川、神社と教会、町と森、帯と絵、姉と妹、母と娘・・・すべての対比構造がやがて収斂し、シンクロする時、革新への確信が開ける。舞が舞うその姿容と躍動の中に彼女が存在する意味を織… https://t.co/JWkxDzyd4s12/12 20:25 e97h0017もう少しざっくばらんに『古都』の感想を申し上げると、今年一番感動した、といったところです。私は学生時代に『耳をすませば』という映画を観て以来、モラトリアムな女の子の精神的な成長物語が大好きでして、序盤から舞ちゃんの静かな苦悩というものが伝わってきて、もうそれだけで泣けてくるんだ。12/14 19:54 e97h0017舞ちゃんの苦悩とは、客観的には解決方法はいくらでもあるように見えますが、彼女自身の内向きの思考で悩みを深化させてしまっている。誰かにそっと背中を押してもらったり、自身がほんの少しの勇気を持って踏み出すだけで状況は一変するのに、彼女は誰にも頼らないし、京都の外に出る勇気も持てない。12/14 20:04 e97h0017パリ行きも父親に決めてもらったのであって、少なくとも彼女の意思というものは本編中どこにも描かれていない。すべてを流れに身を委ねて、橋本愛の表現を借りれば、フワフワと浮遊しているような女の子だ。本作はそんな未熟な精神で漂ってきた女の子が「確固たる意志」を獲得するまでの物語だと思う。12/14 20:14 e97h0017少し前に橋本愛には『八日目の蝉』の永作博美さんのような仕事をしてほしいと言いました。物語の核心をたったワンシーンでたった一人で表現しきってしまうような濃密な情報が詰まったお芝居という意味です。本作で橋本愛は俳優ならば誰もが一度は経験したいであろう大仕事をやってのけたと感じました。12/14 20:35 e97h0017私はラストの日本舞踊には役柄の思いを超越してこの映画のテーマが凝縮されていると思っています。舞がダンスと異なるのは、地に足をつけて神様の存在を意識する、ということです。浮ついた精神は神様に見透かされ、しっかり地に足をつけて、自分の確固たる存在を意識しないと、美しい舞はありえない。12/14 20:51 e97h0017橋本愛の日本舞踊を目にして「美しい」と感じたとすれば、それは舞ちゃんが当たり前のように触れてきた京の伝統文化を強く意識し、正しく評価できるようになった証です。橋本愛は舞を通して役の精神的な成長を表現していると同時に日本の伝統文化の真価を我々に教えてくれているような気がするのです。12/14 21:07 e97h0017私は初見ではやはり橋本愛の日本舞踊のクオリティに魅せられて、ただただ美しいと思いました。しかし、2回目では彼女自身と舞の意志が、舞を通じて重なっていくのをひしひしと感じたのです。一方で、映像的には千重子と舞の思いが重なるという演出がなされており、これは完璧なテーマ表現と言えます。12/14 21:20 e97h00172回目は母を誘って一緒に観に行ったんだけど、愛ちゃんの日本舞踊が断片的になっていることが残念そうだった。私も初見では通しで見てみたいと思いました。でもね、2度目でこの映画がどれほど優れたテーマ表現をやっているかがわかっちゃって、画面に映っているものがすべてだなんだなと思いました。12/14 21:54 e97h0017母には、これは映画だから、と。あるテーマがあって、女優さんはそのための駒であり、一部であるから、結果的に作品そのものが一定のテーマ表現に成功している以上、全部見てもらわなくても愛ちゃんの努力もお芝居も十分すぎるほど報われているんだ、という趣旨の話をしたら、納得してくれたようです。12/14 22:02 e97h0017最寄のシネコンでは今週で上映終了ということで金曜日に3回目行ってきます。本作をスクリーンで観るチャンスはほぼこれがラストということになるでしょう。もちろん橋本愛の日舞をスクリーンを通じてもう一度目に焼き付けておきたいというのもあるんだけど、シンプルに私はこの映画が大好きなんです。12/14 22:22 e97h0017@dewdrop7grass いつもいいねをありがとう。。。12/14 22:26 e97h0017月曜日のツイートを見返して、オレの感想、堅苦しいなー、と思って、これではこの映画の魅力はうまく伝わらないと反省し、少しアプローチを変えてやり直しました。本作が今年もっとも思いを込めて語った映画となりました。今年は総じていい映画が多かったけど、『古都』で締めくくれるのが嬉しいです。12/14 22:33 e97h0017Saito監督の演出についても語りたいんだけど、そういう技術的な感想は伝わりづらいのかなという気がするので、ブログの方でまとめる機会があれば、レビューという形にして付け加えたいと思います。はやくもブルーレイの発売が待ち遠しいですね。12/14 22:53
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