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(8)流れ星 [ドラマレビュー]

『 流れ星 』
第8回
( 2010年 フジテレビ 公式サイト
演出:宮本理江子 脚本:臼田素子、秋山竜平 出演:竹野内豊、上戸彩、北乃きい、松田翔太、稲垣吾郎

今週は、ストーリー上のひとつの大筋、すなわち健吾(竹野内豊)と梨沙(上戸彩)の互いに対する感情と関係性に決着をつける大変重要な回であり、これを大変高いクオリティに納めることに成功しています。この二人の(表面的な)関係性を象徴するキーワードは「契約」で、これが我々の二人の関係に対する印象に「もどかしさ」といったものを付与しているということには前回も触れました。そして、今回の冒頭では、そんな視聴者のもどかしさをあざ笑うかのように、梨沙の台詞に再び「契約」という言葉を使用しています。

今回は、移植手術終了後、梨沙の病室のシーンから始まります。まずは健吾が梨沙のベッドの傍らにいることに意外性を感じ、それだけで何らかの期待をしてしまった方も多いのではないでしょうか。しかし、母・和子(原田美枝子)がマリアに付き添っていると聞けば、そこに特別な意味は存在しないことにあっさり気が付いてしまいます。そして、ダメ押しのようにこの梨沙の台詞です。

「これで契約完了だ・・・ね・・・」

前回は「契約」という言葉を健吾に言わせましたが、今回は梨沙の台詞として使用することで、我々に二人の関係性を再確認することを強いています。さらに、この梨沙の台詞は、これまで彼女が見せたことがないような笑顔と声のトーンをもって表現されており、前回のおなかを見せるシーン以来、完全に梨沙が健吾に対して心を許していることが窺えます。二人の精神的な距離は確実に縮まっているのに、二人の「契約」という関係性には何らの変化もないという「内と外」の齟齬(そご)は、我々にしてみればやっぱりもどかしく感じられてしまいます。

先週の次回予告のラストカットというわけで、私は冒頭から「やられて」しまったわけですが、今回はこの冒頭も含めて、ほとんどすべてのシーンが前回放送された次回予告映像の最後のカット(=今回のラストシーン)に向けての「お膳立て」のような役割を果たしているところが、この回単体でのクオリティの高さに繋がっていると私は考えています。

たとえば、梨沙の退院祝いをする岡田家の食卓のシーンで、和子が梨沙に対してさらっと「このままうちにいてもいいのよ」と言ってしまいます。はっきり言ってこれは二人の「契約」という関係性を無視した発言ですが、何の違和感もなく、そこに存在できてしまう台詞なのです。また、マリア(北乃きい)に梨沙との「約束」の存在を強調させているほか、美奈子(板谷由夏)には梨沙に対して「健吾をよろしくね」とまで言わせています。つまり、言ってみれば外堀を埋めるように、二人をとり巻く状況はある一点(=ラストシーン)に向けて収束しており、あとは二人の気持ち次第というところまで「お膳立て」は進みます。しかし、このドラマは、そうすんなりと物語を進めてはくれません。

自転車というキーアイテムは、今回唐突に登場したものではありますが、梨沙が自転車に乗れないという設定は、彼女の決して幸せとは言えない生い立ちを想像すれば、容易に受け入れられるものでしょう。そして、健吾とともに梨沙が自転車に乗る練習をするシーンもまた、このドラマ屈指の名シーンと位置づけることができると思います。普通のドラマなら、こういうシーンは二人の関係をさらに近づけるような性質を帯びるはずですが、このドラマでは、そのような側面がある一方で、翌日には梨沙が岡田家を離れるという状況が大前提として存在しており、先ほども触れた二人の距離感の「内と外」の齟齬がここにも巧みに織り込まれています。

自転車に乗れない人の「放さないでね!」という叫びは、誰もが一度は経験したことがある心情からくるものだし、いつかは放さなければならないと思うのは練習に付き合う人の当たり前の心情ということになるでしょう。しかし、このシーンではそのような双方の当たり前の心情にもうひとつの意味が付与されています。梨沙の「放すなよ!」という叫びに対する健吾の、

「いつかは放さないと」

という台詞には、当たり前のことなのに、我々だけに伝わってくる何とも言えない切ない情感が込められています。翌日には二人の間に物理的な距離ができてしまうことを思うと、この台詞に健吾の元を離れる梨沙という状況を重ねて考えない人はいないでしょう。当人たちはそんなことを微塵も意識せず、無邪気に自転車の練習を続けており、これを「二人の明日」と対比させてみると、その切なさは一層際立ちます。

「あの時自転車に乗れるようになってたら、今頃あのクソ兄貴とも縁を切れてたのかな・・・」

自転車に乗れるようになることで切れる縁・・・梨沙が語る思い出話の終着点はいろんな意味で切ないものです。そして、梨沙が乗った自転車から健吾の手が離れる瞬間がおとずれます。言うまでもなく、これは二人の関係を象徴的に表現しており、外堀は埋まっているのに、この期に及んでまだ二人を引き離そうとするこの脚本は、その方法が実にスマートなだけに、この現実を受け入れるしかないと我々を観念させてしまうような力を持っていたと思います。

しかし、我々には先週の次回予告映像の最後のカットという拠り所があります。このままでは終わらない・・・このままで終わるはずはない・・・視聴者の気持ちが盛り上がり切ったところで、健吾の自転車が急ブレーキ。キターーーーーッ!です。ここからはついに二人の関係が「契約」を超えた「あのカット」まで一気に駆け抜けていったのはご覧になられたとおりです。

宮本理江子さんは、今週回を効果的に盛り上げるために、先週放送された次回予告を作り、視聴者が「あのカット」を見ているということを前提に今回の演出をしているような気がしています。ご自分で作ったものですからある部分では当たり前のことなんですけど、これが緻密な計算だったとしたら、前代未聞の演出ということになります。私は二人が抱き合うという「最重要カット」が盛り込まれた先週の次回予告を見て、かなり思い切ったことをするものだと感心していたのですが、あえて次回予告にあのカットを入れることで、次週も見たい、あるいは絶対に見逃せないと考える視聴者はかなりいたはずだし、次回予告としての役割は十二分に果たしていたと思います。ただ、よもや何らかの演出上の意図が介在している可能性には、今週回を見るまでまったく気が付きませんでした。

すでに触れたとおり、今回のストーリーは最初から「あのカット」に収束していくように進んでおり、視聴者の大部分がそのことを知っていて、それを期待をして見ているわけです。言ってみれば、これは「予定調和のカタルシス」であり、先週の次回予告がそのような効果を狙って作られたものだとすれば、テレビドラマの演出もここまで来たかという感慨に至らずにはいられません。これまでも連続ドラマの特性を生かしたこのドラマの脚本と演出については触れてきましたが、次回予告まで利用してしまう発想には驚くしかありません。私がテレビ雑誌の記者なら、宮本監督に取材を申し込んで、真っ先にそのあたりのことをお聞きしてみたいところです。

さて、以前、こちらのランキングで、ヒロインをもっともうまく撮るディレクターとして宮本理江子さんのお名前を挙げさせて頂いたことがありますが、女性の心情を掬い取るのがとても上手な方であることは、このドラマの中でも主に梨沙についての描写を通じて再確認しているところです。今回、そのような宮本監督の女性的な演出という視点から是非注目しておきたいシーンが二つあります。健吾の元婚約者・美奈子(板谷由夏)の存在は、先週はっきりと健吾にふられたことで、前回をもってストーリー上の役割はほぼ終えたものと考えていましたが、今回の序盤にも登場し、意外にも彼女のその後の心情描写にかなりの時間を割いてました。このあたりは女性の脚本、女性の演出によるこのドラマならではのものだと思っています。

2010120902.jpgまず、美奈子がマリアから届いたメールを読むシーンのきわめて繊細な感情表現に驚きました。このシーンに台詞はなく、板谷由夏さんは携帯電話を片手にマリアの感謝の言葉を読んで感極まるというお芝居をしていて、動きとしては携帯電話の画面を何度も指で拭うという仕草をしています。この動きは板谷さんの演技プランである可能性もありますが、私は宮本監督の演出である可能性が濃厚だと考えています。というのも携帯電話の画面を親指で拭うという手元寄りのカットがひとつインサートされていて、これはどう考えても最初からこの動きを撮るつもりで存在しているカットだからです。果たしてこの場合、携帯電話の画面を指で何度も拭うという行為にはどんな意味が込められているのでしょうか。私は美奈子の後悔と贖罪の念、そして感謝が入り混じった複雑な心情を表現するための動きだと解釈しています。

A                            (26:20)
2010120903.jpg

Dolly
A'                           (27:30)
2010120904.jpg
B                            (27:44)
2010120905.jpg
 C                            (27:48)
2010120906.jpg

もうひとつのシーンは、病院にて美奈子が梨沙に話しかけるシーンです。これまで二人がちゃんとした会話をしたことがあるわけではなく、ましてや真逆の選択をした二人ですから、Aのカットの始まりの絵は、この時点で二人の間に当然存在する価値観の違いや精神的な距離感を表現しています。実際、美奈子は梨沙によそよそしく話しかけ、梨沙がいるテーブルではなく、梨沙の背後に位置するイスに座ります。このシーンでは、美奈子が梨沙に対して抱いていた率直な想いを吐露しており、梨沙が「いい女だな」と応じて、二人の間の壁が取り除かれます。そして、美奈子の「健吾をよろしくね」という台詞に繋がっていきます。

これを1カットで表現しているのがAのカットで、カメラは80秒かけてゆっくりと二人が重なる位置まで移動していきます。つづくカットで逆位置のショットに切り替えて、BとCのカットで二人の笑顔を押さえれば、二人の互いに対する気持ちの変化の表現は完了です。このシーンも効果的に長回しが使用されており、女性二人の心情の繊細な移り変わりを小細工なしで撮っているのと同時に、単純なカメラの動きをもって二人の間に存在していた距離を埋め、二人の心情の変化を補完しています。私はこのシーンを見て、これを男性ディレクターが撮ったら、果たしてこんな風に丁寧に撮ってくれるだろうかと思ってしまいました。二人の女性の心情にしっかりと決着をつける演出は、女性監督ならではのものだったと思います。

今回は大変な長文になってしまいしたが、細かいことを言えば、もっともっと触れてみたい要素があって、本当に濃密な回だったと思います。私は今週回は単体でも十分に成立できるぐらいのクオリティを備えていると考えていて、NHKが『龍馬伝』の最終回を芸術祭に出品するのなら、フジテレビはこれを出品してもまったく恥ずかしくないと思います。私は、ほとんど映画並みの脚本と演出のクオリティを目の当たりにして、途中から「これ、映画化すればいいのに・・・」と思いながら見ていました。第8回にしてこんなものを見せられてしまっては、宮本さんが再び演出する最終回はどうなってしまうんだろうという強い好奇心と興奮を隠すことはできません。

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超大阪人

このドラマが始まり、本能的に録画を丹念に見返す作業が増えていました(笑)。

そして、この感動を共有したいことからネット検索してジャニスカさんに辿り着き、あまりに見事な考察と、自分も感じていたこの作品の演出・構成・行間・演技力等々の感想に身震いさえ覚えました。
無駄な贅肉を削ぎ落としたような演出・台詞。
その分それに呼応するだけの演技力が要求され、その要求以上のものを魅せてくれる役者さん。
最近のドラマを否定するのではないですが(それはそれで良い作品でもある)、そこを敢えて間逆の手法をとってこれだけのクオリティー高い作品に仕上げているものは近年例がないでしょうね。

こちらをドラマ初回から拝見していて、いつかコメントに参加させてもらいたいと思いながら、ジャニスカさんの素晴しい文章力に圧されて、なかなかキーを打てずにいました。
でも、この8話のレビューを読んでいて「この方はワタシ!?」と勘違いしてしまうほど、いや実際はわたしなんぞまだまだですが・・・(笑)、そう思いコメさせていただきました。

実は5話のレビューでもめちゃくちゃ共感し、おまけにシーン写真まで入れてくださっていたので、読みながら思わずPC画面に「そう!そう!」と相槌を打ってしまいました(笑)。

自分もこの作品を語り出すと「細けーーーっ!」ってとこまでいき、キーを打つ手がまどろっかしくなり、ついつい友人や家族相手に「話す」方になってまして・・・(笑)
そんな訳で、ココに以前来られたひとやすみさんがブックマークされている方のブログにちょいちょいコメ参加して、自分の感想を述べるくらいです。

またコメントさせていただきますんでヨロシクです。
by 超大阪人 (2010-12-10 11:16) 

テンコ

どうも~こんばんは~。またお邪魔いたします。
視聴率が上がってきて、14,8%になりましたね!でも、視聴率は最近、”出来”とは関係ないようですが。
8話のラストシーンはうわーっと抑えていた気持ちがあふれ出す様で、本当に感動しました。
あの予告のシーンを見せられていたために、8話をずっと観ている間、その効果(期待感)がずっとあったのですね~。確かに!!
もしあれを観ていないで、観ていたら、全然感じ方が違っていたでしょう。

自転車を急ブレーキして、猛ダッシュして走らせる、静から動に変わる瞬間の健吾、ほんとにキター!です。期待感を募らせていた我々の願いを一身に背負ったような行動です。
そして、いったん見失い、諦め…と落としておいて、また梨沙が目の前に現れる!!にくい演出です。

引き寄せて黙って抱きしめた時、驚いた梨沙がちょっと離れようとしますね。それをぐっと強く抱きしめる健吾。そこが私のツボです!何も言わないのがいい。そして梨沙もおそるおそる手を回す、涙を流す梨沙…・。セリフなしが素晴らしい。

本当にこのドラマの決めの細かい演出は感動物で、最近のドラマに感じることができなかった感覚です。

宮元江里子さんの演出の素晴らしさをジャニスカさんのレビューで教えていただき、なるほど~~と感動しています。

携帯をなでる美奈子の動作、何度もいとおしむような、大切に思うような感じがでているなと思いました。謝罪の気持ち等など、複雑な彼女の心情が表されているんですね。

梨沙が感じる暖かい家庭のぬくもりを感じるようなシーンがいっぱいあって、これも良いですね。
お母さんのお味噌汁を飲んでほっとする梨沙、りんご剥いたから食べてと言われて食べる時、洗濯物を一緒にたたむ時など…、「ずっとここにいていいのよ」という優しい(ちょっとゆったり、のんびりした)母がいい感じですね。

このドラマ、あと2回でなく延長して来期もやって欲しいくらいです。日本のドラマはあまり延長なんてないでしょうけど、韓国ドラマだと視聴者の要望で伸ばしてくれたりするんだそうです。

最近の日本のドラマは理屈っぽくなりすぎていて、頭で考えてしまうような話が多くなっていたようなので、このドラマのように直接深い感情に訴えるようなところが好きです。
私が韓国ドラマにハマったのは、ストーリーが多少おかしなことになっていても、ひどく現実離れした設定でも、きめ細かく、感情移入しやすい作り方をしているせいなのかなァ、と思っています。



by テンコ (2010-12-10 19:15) 

ジャニスカ

超大阪人さん、コメントありがとうございます。お褒め頂き嬉しいです(^^)。
ただ、これは中身のあるドラマだからこそ書けるレビューだと思っています。
中身のないドラマは、酷評することはあってもこんな風には絶対に書けません。

特に今回は長文になりましたが、宮本演出のうち、
二つの大きな要素について言及していたら、いつの間にかこんなになってしまいました(^^;。
もっと細部にもうなるような演出が施されていて、最初は気づいたことを全部書くつもりだったんですけど、
(おそらくこれは超大阪人さんがお気づきになられたようなことです)
これはキリがないな・・・とまで思ってしまいました。

私もこういうテレビドラマは、「近年例がない」と思っていたんですけど、
今週分を拝見して、「過去に例がない」タイプのドラマではないかとさえ思い始めています。
そのあたりは最終回まで見てから、総括的なものを書きたいと考えています。

私もこのレビューを書くに当たって、細部の確認のために見返すのですが、
確認したらそれっきりで、保存はしていますが、3度以上観た回はありません。
私の場合、昔からいいドラマほど、不思議と何度も観ないというか、観ることができないんですよね。
なんとなくですが、初見で感じたものを大事にしたいというような心理があるのかもしれません。
このドラマについては、細部の演出など技術的な観点からもう一度最初から観てみたいという気持ちが強いんですけど、一度そういう見方をしてしまうと、「大事なこと」を忘れてしまうような気がして、おいそれと見返せずにいます(^^;。

細かいこと大歓迎です。長文でも、ちょろっとでも構いませんので、
また気軽にコメントを残していってください。こちらこそヨロシクお願いします(^^)。

by ジャニスカ (2010-12-11 08:23) 

ジャニスカ

テンコさん、こんばんは~。
視聴率上がりましたね!おっしゃるとおり視聴率なんていい加減なもんですけど(^^;、
このドラマの視聴率推移はちょっと面白いものがあって、近日中に言及したいと思っています。

>もしあれを観ていないで、観ていたら、全然感じ方が違っていたでしょう。

本当にそう思うのです。あの次回予告を観た上で、今回を観るのと、
二人がどうなるのかまったくわからない状態で観るのとでは、全然感じ方が違うのは明らかだと思うのです。
その感じ方というものをどう表現すればいいのかわからなかったんですけど、
「キターーーーーッ!!!!」
なんですよね。これが一番わかりやすい(^^)。
仮に二人がどうなるのかまったくわからない状態で観たら、あの瞬間は、
「おっ・・・?」
ぐらいだったような気がします。

このドラマの岡田家のシーンはどれも本当に素晴らしいですね。
梨沙の意外なキャラクターはいつも食卓のシーンで表現されていたような気がします。
俳優さんたちにとって、食べるお芝居というものは、一番難しい部類のひとつで、
我々素人でも挑戦してみるとよくわかるんですけど、食べながら台詞をしゃべるというのは本当に難しい。
それなのにこのドラマでは食べるシーンで結構重要なキャラクター表現がさらっと為されていて感心しています。
また、個人的に日本で一番食べる芝居が巧い俳優さんは本木雅弘さんだと思ってるんですけど、このドラマを観て、竹野内豊さんの食べるお芝居は、本木さんと比肩していいレベルのものだと思うようになっています。

残念ながら延長はありえませんよね、、、
私としては、映画1本のレビューを書くのにも結構な労力を要するのに、
さらに1クールも毎週映画並みのクオリティのドラマが続いたら、もうヘトヘトでしょう(^^;。
こんなドラマを見せられては、書かないという選択はできませんからね。
ただ、最終回は拡大されるはずです。15分かなー。

>直接深い感情に訴えるようなところが好きです。

テンコさん、これ素晴らしい感想です。
私は小難しく書いちゃってますけど、これこそがこのドラマの本質だと思います。
全然、頭を経由してないんですよね。「内容を把握しなければ」というような切迫感もまったくなくて、
視聴者に何も強要していない。出演者もスタッフも「ただ感じてください」と言っているかのような・・・

テンコさんがおっしゃる理屈っぽいドラマというのは、アメリカドラマの影響が多分にあるような気がしています。
韓国ドラマはその対極にあるもので、日本では韓国ドラマの表面的な模倣はあっても、
方法論という意味で模倣した例は実はこれまでなかったのかもしれません。
宮本監督は韓国ドラマを絶対に観てますよ。そして、このドラマに方法論を導入してます。
・・・と、そういう妄想をするのも楽しいですね(^^)。これはあくまでも妄想です。。。
そういう観点からのレビューも書ければいいんですけど、
すいません、、、私は韓国ドラマをほとんど観たことがないのです(^^;。
そういえば、ついこの前放送されていた「コーヒープリンス1号店」は少し観ましたよ~。

by ジャニスカ (2010-12-11 08:50) 

テンコ

再びすみません。名前を間違えておりました。
宮元江里子でなく、宮本理江子さんでした。失礼しました。

ジャニスカさんに感想を誉めていただいて、とても嬉しいです。
日本のドラマが変化してきていた、と思っていたのですが、
それはアメリカドラマの影響、なるほどそうでしたか。
アメリカドラマは最近の物はあまり観ていませんが、
ジャニスカさんもご存知だと思いますが、
米「コールド・ケース」=日「絶対零度」
米「逃亡者」=日「逃亡弁護士」
米「デクスター」=日「ジョーカー」
米「ドクター・ハウス」=日「踊れドクター」
米「ER」=日「救命病棟24時」
など、そっくり(リメイク?)だそうですね。
最近は脚本からしてアメリカドラマにヒントを得ているんですね。

「流れ星」は韓国や台湾でリメイクされるのではないでしょうか?
きっとあちらでも受けると思います。
(「白い巨塔」や「結婚できない男」「やまとなでしこ」などリメイクされました。)
脚本家も、きっと韓国ドラマを観ていただろうな~^^と私も思います。
韓国ドラマは実は日本の古いドラマから学んだ、真似した部分もあると思うんですが、まあどちらが先というよりも感性の部分で似ていたわけですよね。
「コーヒープリンス1号店」を少しご覧になりましたか?
私はこの話はイマイチハマれませんでしたが(^^;)韓国ドラマはちょっとワンパターンで飽きてしまうところがあります。

by テンコ (2010-12-11 21:54) 

ジャニスカ

テンコさん、こちらこそこのドラマについての一番大事な要素を思い出させてもらいました。
ありがとうございます(^^)。

アメリカドラマについては「影響」というよりもパクってるんですねぇ、、、(^^;。
私はアメリカドラマといえば、ちゃんと観たのは「アリー・マイ・ラブ」ぐらいしかないんですけど、
「絶対零度」のレビューでも言及したとおり、
そのクオリティは、元祖の足元にも及んでいないのは、容易に想像がつきます。
現在の日本のドラマは、海外ドラマの模倣か、マンガ原作がほとんどですから、
「流れ星」のようにオリジナル脚本で、高いクオリティを実現しているドラマはもっと賞賛されるべきです。
「月9」にはこれからもオリジナル脚本にこだわったドラマ作りを継続してほしいところです。

「結婚できない男」もリメイクされたんですねー。このドラマは何気にコメディドラマの傑作だと思っています。
ああいうコメディセンスは韓国の方にも理解できるんでしょうか。
もちろんアレンジされているんでしょうけど、ちょっと興味があります。

宮本さんも臼田さんも職業柄、韓国ドラマを観ているのは間違いないでしょう。
「流れ星」にどの程度反映されているのかはわかりませんが、影響はあるでしょうね。

「コーヒープリンス1号店」は、ウンチャンがかわいらしいと思って観てました(^^)。
男性は彼女のようなヒロインは嫌いじゃないと思います。その意味ではキャラクタードラマの範疇ですよね。
このドラマの影響を受けていると思しきドラマが日本にもありましたよねぇ、、、
by ジャニスカ (2010-12-12 13:49) 

ひとやすみ

ジャニスカさん、こんばんは~

ジャニスカさん、3回以上観ないのに、これだけのレビューを書けるなんて、凄いですね!!\(◎o◎)/!
細部にわたって解説してくれてるので、もっと観てるのかと思ってました。

>私の場合、昔からいいドラマほど、不思議と何度も観ないというか、観ることができない んですよね。
なんとなくですが、初見で感じたものを大事にしたいというような心理があるのかもしれません。
このドラマについては、細部の演出など技術的な観点からもう一度最初から観てみたいという気持ちが強いんですけど、一度そういう見方をしてしまうと、「大事なこと」を忘れてしまうような気がして、おいそれと見返せずにいます。

私も、同じように感じてました。
初見を大事にしたい・・・
細部を確認するのに、いろんな点から見直すと・・・・大事なことを忘れてしまう・・・
だから、普段はオンエアで観たら、あまり見直さないのですが
見直したとしても、日にちを空けて観てましたが
今回は、終わったら直ぐに見直すという暴挙に出てます。
これは、それに耐えうる作品だと思います。

それから、竹野内さんは割りと食べるシーンが多いんですが
役によって食べ方も変えていて、ガツガツだったり上品だったり。
竹野内さんの食べるシーン、いいですよね~(*^_^*)

ジャニスカさんのレビュー、いつも楽しみにしてます。
あと2話、よろしくお願いします。(*^^)v





by ひとやすみ (2010-12-12 23:50) 

ジャニスカ

ひとやすみさん、こんばんはー。

私、「流れ星」はリアルタイムで観ることができないので、
録画したものを観るのですが、何度も見ない代わりに要所のシーンごとに一時停止して、
目を閉じてそのシーンを心の中で反芻するという作業をしています。
普通はそんなことしないんですけど、このドラマは思わず目を閉じて浸りたくなってしまうのです。
ひとやすみさんなら、わかってもらえますよね!この気持ち、、、(^^ゞ。

というわけで、54分の番組を1時間半ほどかけて観ているということになり、
なおかつ、見終わった後は、ほぼ丸1日熟成期間を設けて、
書きたいことをまとめてからこのレビューを執筆しています。
それで、書いてあることに間違いがあってはいけないので、
レビューで取り上げた部分のみ、もう一度見ることになります。
そうすると、どうしてもレビューの更新は木曜日ということになってしまいます。

それでも思わず何度も繰り返し見てしまったシーンもあるんですよ。
レビューでも取り上げましたが、第5話の健吾の墓前でのシーンは5~6回観てしまいました。
あのシーンは何度観ても竹野内さんのお芝居に惹きこまれてしまいます。
何度観てもいいものはいい!という意味ではおっしゃるように、そういう鑑賞方法にも耐えうる作品ですよね。

以前も触れましたが、食べるシーンで食べること以外の何かを表現しようとしている時点で、
非常にハイレベルな役者さんと考えていいと思っています。
このドラマでは上戸彩ちゃんも、私の知る限り初めてそういう繊細なお芝居に挑戦していますが、
彼女の場合は、監督の意図というものも同時に感じています。
これに対して竹野内豊さんの食べるシーンのお芝居は、大部分が彼自身の演技プランでしょう。
表現していることが繊細すぎますから。やっぱり「見ちゃうお芝居」なんですよね(^^)。

いよいよあと2話、がんばって書いてみます!
竹野内さんのお芝居にもできるだけ触れたいんですけど、
ひとやすみさんの記事やコメント欄に私なんかより鋭い視点が書かれていて気後れしてしまっています(^^;。

by ジャニスカ (2010-12-13 08:18) 

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