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2012年第3四半期のドラマ [ドラマレビュー]

2012年の第3クール、私が視聴したドラマの一覧と評価です。
NHKのドラマが変則的なので、まだ放送中の作品もありますが、それらについても暫定的な評価を記載しています。
また、恒例となっております、私の独断と偏見で決定した各賞を発表するとともに、それぞれ寸評を併記しています。

TermTitleKey StationCastScriptC.D.RatingOwn Rating
3浪花少年探偵団TBS多部未華子、小池徹平吉田紀子清弘誠 6.13%★★★☆☆
リッチマン,プアウーマンフジテレビ小栗旬、石原さとみ安達奈緒子西浦正記12.40%★★★★
息もできない夏フジテレビ武井咲、江口洋介渡辺千穂河野圭太9.79%★★☆☆☆
つるかめ助産院NHK仲里依紗、溝端淳平水橋文美江佐々木章光8.12%★★★★
眠れる森の熟女NHK草刈民代、瀬戸康史篠﨑絵里子渡邊良雄6.44%★★★★★
トッカン-特別国税徴収官-日本テレビ井上真央、北村有起哉いずみ吉紘水田伸生10.50%★★★☆☆
東野圭吾ミステリーズフジテレビ(詳細はこちら8.42%★★★☆☆
薄桜記NHK(BS)山本耕史、柴本幸ジェームス三木清水一彦-★★★★
負けて、勝つNHK渡辺謙坂元裕二 柳川強8.46%★★★★
サマーレスキューTBS向井理、尾野真千子秦建日子日比野朗10.06%★★☆☆☆
 ※ タイトルを一部省略して表記している作品がある。 ※ 脚本担当者が複数いる作品については、トップクレジットを表記した。
※ 視聴率は全話の加重平均値(ビデオリサーチ社、関東地区)。

ジャニスカ的最優秀作品賞
 該当作品なし 

【 作品 】 当クールはズバ抜けて優れた作品はありませんでしたので、残念ながらこういう形とさせていただきました。上記作品の中で相対的な評価をすれば『リッチマン、プアウーマン』(フジテレビ)が最上位となりますが、過去2クールで最優秀とした作品とのバランスを考慮すると、やはり絶対評価とするのが望ましいと考えました。ただ、純粋に私個人の気持ちを述べれば、今クールで一番好きなドラマは?と訊かれれば、迷わず『リッチマン、プアウーマン』と答えます。私の世代は「月9=ラブストーリー」という意識が強いですから、この枠といえばこういうテイストの作品への欲求が強いです。近年の「月9」でも年に1、2本はラブストーリーが制作されていますが、とても私の欲求を満たしてくれるようなクオリティではなく、もうラブストーリーを観てもかつてのようなドキドキ感を味わうことはないのかもしれないと諦めかけていました。また、それは作品のクオリティせいではなく、自分自身が年を重ねたせいなのかもしれないとも感じていたのですが、そうではないということをこのドラマが教えてくれました。若い主人公二人に大いに感情移入し、大いにドキドキさせてもらいました。「月9」の黄金期がとっくの昔に過ぎ去った現在でも、ちゃんとセオリーを知っている人が作れば、良質なラブストーリーを作ることは可能だということがよくわかりました。次点は『薄桜記』(NHK)です。考えてみたら、正統派時代劇であると同時にこちらもラブストーリーでしたね。もちろんアプローチや結末はまったく異なりますが、この2作品における主人公二人の関係性について言えば、描かれたものの本質に大差はないと私は考えています。

ジャニスカ的最優秀脚本賞
 該当者なし 

【 脚本 】 こちらもおのずと作品賞に準じる形となります。ただし、『リッチマン、プアウーマン』の安達奈緒子さんが信頼できる脚本家のひとりであることを確認できたのは大きな収穫でした。このブログをずっと読んでくださっている方ならご存知のことと思いますが、私は安達さんの前作『大切なことはすべて君が教えてくれた』の脚本のことをボロクソに書きました。でも実はその直後に安達さんのデビュー作をたまたま拝見する機会がありまして、それ以来、安達さんの実力をこのドラマのみで評価するのは早計だったかなと思い始めて、密かに次回作を待望していたところがあります。それで蓋を開けてみたら「やっぱり」どころか、往年の月9ラブストーリーのセオリーという意外な作風を放り込んできたので、度肝を抜かれた感じです。こういう古き良き時代のラブストーリーの形式を使いこなせる脚本家が出てきてくれたことは素直に嬉しいことです。次回は今回とは別のプロデューサーとの仕事で、また違った作風の作品を拝見したいものです。その他ではまだ放送中ではありますが、『つるかめ助産院~南の島から』の水橋文美江さんと『眠れる森の熟女』の篠﨑絵里子さんは流石だよなという思いで見ているところです。

ジャニスカ的最優秀監督賞
 西浦正記・田中亮
(『
リッチマン,プアウーマン』)
 

【 演出 】 『リッチマン,プアウーマン』の演出は、抜きん出て良かったです。西浦正記監督はもともと絵作りが巧くて編集テクニックのある方ですが、セカンドの田中亮監督もまったく遜色のない映像を見せてくれたし、それどころか独特の演出ポリシーをお持ちのようで、個人的にはあっと驚くような演出を多数見せてもらったという感想を持っています。ツイッターでも何度かつぶやいたとおり、とにかく主題歌の使い方が独特で、物語終盤の盛り上げ方が特に上手な方です。今後の活躍が楽しみな若手ディレクターです。

ジャニスカ的最優秀主演男優賞 ジャニスカ的最優秀助演男優賞
小栗旬
(『
リッチマン,プアウーマン』)
 井浦新
(『リッチマン,プアウーマン』)
<優秀主演男優賞>
山本耕史
(『薄桜記』)
 <優秀助演男優賞>
北村有起哉
(『トッカン-特別国税徴収官-』)

【 男優 】 小栗旬くん(『リッチマン,プアウーマン』)は、主演俳優としてはまさに今が旬と言ったところでしょう。ちょっとした仕草から目の動きに至るまで彼自身の計算を感じさせる繊細なお芝居が健在で、物語の中心で作品を引っ張っていく存在感とそれを裏打ちするお芝居の上手さはまさしく主演の器です。山本耕史さん(『薄桜記』)は正統派時代劇で危なげなく主演を張れる若手俳優として貴重な存在です。殺陣や所作についてはもちろん確かなものがあるし、それに加えて彼の凛とした表情は剣に生きる武士に毎度毎度見事にはまります。井浦新さん(『リッチマン、プアウーマン』)は要らぬ裏読みをしてしまうほど、奥行きのある役作りを見せてくれました。そのたたずまいだけで「何かある」と思わせてしまう俳優さんはそう多くはいません。北村有起哉さん(『トッカン-特別国税徴収官-』)はここまで露出の多い役柄は初めてだったと思うのですが、改めてシリアスからコメディまでジャンルを問わず何でもできるタイプの俳優さんだと感じました。この方の使いどころはドラマプロデューサーの手腕が試される部分かもしれません。

ジャニスカ的最優秀主演女優賞 ジャニスカ的最優秀助演女優賞
多部未華子
(『浪花少年探偵団』)
 柴本幸
(『薄桜記』『東野圭吾ミステリーズ』)
<優秀主演女優賞>
石原さとみ
(『
リッチマン,プアウーマン』)
井上真央
(『トッカン-特別国税徴収官-』)
  <優秀助演女優賞>
尾野真千子
(『サマーレスキュー~天空の診療所~』)

【 女優 】 現在の年齢が20代半ばにある世代の女優さんはとても層が厚くて、主演級の実力を持つ女優さんが何人もいるのですが、今クールは私が視聴しなかった作品も含めて注目の女優さんが顔を揃えました。これは予てからの評価でもあるのですが、その中でも多部未華子ちゃん(『浪花少年探偵団』)は多彩な表現力を兼ね備えていて、シンプルに見ていて飽きない女優さんです。これは主演女優に必須の要件と言えるでしょう。常に彼女でなければ成立しない唯一無二とも言える役柄の存在感を表現してしまう子です。石原さとみちゃん(『リッチマン,プアウーマン』)と井上真央ちゃん(『トッカン-特別国税徴収官-』)も流石と思わせる主演女優の存在感があったし、このお二人も魅せる芝居ができる女優さんです。柴本幸ちゃん(『薄桜記』)は、今もって『風林火山』の由布姫の鮮烈な印象が忘れられないのですが、やはり時代劇向きの落ち着いた雰囲気を表現できる女優さんです。江戸時代の武家の女性の立場や価値観とは独特なものがあると思うのですが、それらを的確に理解してお芝居しているのが伝わってきます。尾野真千子ちゃん(『サマーレスキュー~天空の診療所~』)のお芝居についてはすでに詳しく言及しておりますのでそちらをご覧ください。

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