SSブログ

2012年第2四半期のドラマ [ドラマレビュー]

TermTitleKey StationCastScriptC.D.RatingOwn Rating
2リーガル・ハイフジテレビ堺雅人、新垣結衣、里見浩太朗古沢良太石川淳一12.47%★★★★★
はつ恋NHK木村佳乃、伊原剛志、青木崇高中園ミホ井上剛8.46%★★★★★
クレオパトラな女たち日本テレビ佐藤隆太、稲森いずみ大石静岩本仁志7.77%★★★☆☆
Wの悲劇テレビ朝日武井咲、桐谷健太、松下由樹寺田敏雄片山修9.09%★★☆☆☆
もう一度君に、プロポーズTBS竹野内豊、和久井映見桐野世樹村上正典8.62%★★★★
都市伝説の女テレビ朝日長澤まさみ、溝端淳平、竹中直人後藤法子星野和成9.73%★★★☆☆
 ※ 脚本担当者が複数いる作品については、トップクレジットを表記している。※ 視聴率は全話の加重平均(ビデオリサーチ社、関東地区)。

ジャニスカ的最優秀作品賞
  リーガル・ハイ
(フジテレビ=共同テレビ)
 

【 作品 】 『リーガル・ハイ』(フジテレビ)のひとり勝ちといった印象です。『はつ恋』(NHK)はあと3話を残しているのですが、おそらく評価は変わることがなさそうなので、エントリーさせています。『もう一度君に、プロポーズ』(TBS)はプロットの勝利。『クレオパトラな女たち』(日本テレビ)は打ち切りの影響が結末に露骨に現れていた感じがするので、作品としての評価を正確に下せなかったのが残念です。『都市伝説の女』(テレビ朝日)は、俳優さんのお芝居は一様に素晴らしかったのですが、コメディで遊べない監督がいたのは致命的です。『Wの悲劇』(テレビ朝日)はオリジナルのアレンジが不発。いろいろなタイプのドラマが観られて、なかなか楽しめたクールでした。『リーガル・ハイ』については当該レビューもご覧ください。

ジャニスカ的最優秀監督賞
 石川淳一・城宝秀則
(『リーガル・ハイ』)
 

【 演出 】 『リーガル・ハイ』の演出は、コメディのお手本と言ってもいいハイクオリティなものでした。同じコメディでも『都市伝説の女』の演出と比べると、その差は一目瞭然でした。コメディはディレクターと演者の遊び心がうまく機能しないといい作品にはならないようです。共同テレビにはいいディレクターがたくさんいます。

ジャニスカ的最優秀脚本賞
 古沢良太
(『リーガル・ハイ』)
 

【 脚本 】 今もっとも勢いのある脚本家はこの方でしょう。シリアスからコメディまでジャンルは問わないし、必ず裏テーマが設定されている作風で、大変見ごたえのある作品を手がける一流の脚本家だと思います。映画脚本でも実績のある方で、ますますの活躍が期待されます。早くも次回作が待ち遠しいです。

ジャニスカ的最優秀主演男優賞 ジャニスカ的最優秀助演男優賞
堺雅人
(『リーガル・ハイ』)
 綾野剛
(『クレオパトラな女たち』)
<優秀主演男優賞>
竹野内豊
(『もう一度君に、プロポーズ』)
 <優秀助演男優賞>
生瀬勝久
(『リーガル・ハイ』)

【 男優 】 堺雅人さんが素晴らしい俳優さんだということは周知のことと思いますが、今回はすごくわかりやすい形で彼のすごさが提示されたような気がします。ビジュアルから内面、思考まで古美門研介というキャラクターの大部分は堺さんが作り上げたものだったようです。特に第9話のラストのお芝居は圧巻でした。早口でありながら台詞に言魂を吹き込むテクニックは誰にも真似できないというレベルのもので、多くの人たちの心を揺さぶりました。もちろんコメディのセンスも素晴らしい。竹野内豊さんは地味ですが堅実な俳優さんです。『さまよう刃』のような本格派映画で観たいと言い続けているのですが、なかなか実現しません。綾野剛くんは主人公を愛する同性愛者という難しい役どころでしたが、最初から叶わないとわかっている恋に向き合う繊細な「男心」を見事に表現していました。そのマインドに反して「いい男」という雰囲気も醸し出していたところがこれまで観たことがない同性愛者像でした。生瀬勝久さんは、やはりこの手のコメディをやらせたら超一流の俳優さんです。コメディを熟知した生瀬さんと堺さんのからみによってこの作品は完成したと言ってもいい最終回でした。

ジャニスカ的最優秀主演女優賞 ジャニスカ的最優秀助演女優賞
木村佳乃
(『はつ恋』)
 和久井映見
(『もう一度君に、プロポーズ』)
<優秀主演女優賞>
長澤まさみ
(『都市伝説の女』)
 <優秀助演女優賞>
新垣結衣
(『リーガル・ハイ』)

【 女優 】 『はつ恋』はまだ放送中なのですが、木村佳乃さんのキャリアから言ってそのお芝居が揺らぐことはないと思います。リアルにお母さんになったということもあるのかもしれません。子供と夫への愛情がまっすぐに伝わってくる理想的な母親のお芝居を披露してくれています。和久井映見さんは同年代の女性の共感を誘う見事なお芝居だったと思います。この方は昔から表情のお芝居が素晴らしくて、キャラクターの感情を目や表情でうまくコントロールする女優さんです。長澤まさみちゃんは今や一流のコメディエンヌです。『モテキ』以降の彼女は自分の魅力を隠すことがなくなりました。まさに一皮むけた印象です。新垣結衣ちゃんは今作を通じて芝居というものの本質がわかり始めたようです。この種のコメディが難なくこなせるようになって、本人も役作りを心から楽しめるようになったら素晴らしい女優さんになると思います。

関連記事 : 2012年第1四半期のドラマ (2012-03-29)
2011年のドラマ (2011-12-31)
2010年のドラマ (2010-12-31)


nice!(3)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

nice! 3

コメント 2

ともさん

ジャニスカさん、はじめまして。
「流れ星」以来、時々訪問させていただいてます。
ジャニスカさんのレビューは「我が意を得たり」なものが多く、「私もこんな的確な文章が書ければなぁ」といつも羨ましく思っております。


「リーガル・ハイ」

このドラマに夢中になった3ヶ月でした。
堺さんの役者としての幅、本当にスゴイ!
古美門を演じる堺さんは、まさに「怪物」でした。
圧倒的な力で観る者をねじ伏せる、というか・・・・・
コメディなのに・・・・

脚本、演技、演出の素晴らしさは言うまでもなく、小ネタ、効果音、小道具などの仕事にも殆ど穴がなく、細部まで見逃せない、見落としたくない作品でした。

今クールはこのドラマ1本にエネルギーを傾注してしまった感じです。



「もう一度君に、プロポーズ」

落ち着いてじっくり観たい という思いがあって、実はまだ未見です。
全話、録画しています。
(「リーガル・ハイ」との2本立て、私には燃料切れでムリです・・・)

竹野内さん&和久井さんのタッグなら、期待するなという方が無理ですよね。
おまけにジャニスカさんのレビューを拝読し、期待はさらに高まりました。
これからゆっくり楽しみたいと思います。
by ともさん (2012-07-01 13:28) 

ジャニスカ

ともさんsan、いつもご覧いただきありがとうございます。
「流れ星」以来訪れてくださっている方がとても多くて本当に嬉しいことです。
「流れ星」は私が初めて本格的にドラマのレビューを書いた作品なのでやっぱり特別な思いがあります。
私は作家でもライターでもないので、誰かに教わったわけではない、まったくの自己流の文章なんです。
筆力はたくさん書くことで磨かれてきたのではないかと思います。
初期のレビューなんて今読むとちょっと恥ずかしいですからね(^^;
その中でも「流れ星」のレビューは文章も内容も最初はマニアック過ぎて需要はないだろうな、
と思いつつ書いていたので、アクセス数が毎週増えていくのを見てちょっとびっくりしていました。
私のテレビドラマについての知識や思いでも役に立つことがあるとを実感したのはその時が初めてです。
そして自分でも納得のいくレビューが書けるようになってきたのは「流れ星」以降かなと思っています。
ちょっと自分語りしました、、、(^^;

「リーガル・ハイ」の堺雅人さんのお芝居は本当に圧巻だったと思います。
でも堺さんのお芝居は彼自身が何かを表現するために作り上げたものなので、
そこだけに目が行ってしまうと、堺さんも報われないかなとも思っています。
私は彼のお芝居を通じて何が表現されたのかということを汲み取ることの方が重要だと思っています。
それが視聴者に伝わって初めて堺雅人さんの役作りとお芝居は完成するんだと思います。
全体的に堺さんのお芝居の表面的な部分がちやほやされている感じがしていて私は残念に思っています。
ともさんsanがそうだと言いたいわけではなくて、ちょっと気になっていたので書き留めておきます。
俳優という職業は作品が評価されてこそのものだと思います。

質の高いテレビドラマを観るのはエネルギーを必要としますね。よくわかります(^^)。

「もう一度君に、プロポーズ」、これからご覧になるなんていいですね。
私は学生時代には撮りためたドラマを一気に観るというようなことをよくやっていたんですが、
やっぱり大人はゆっくり、じっくりが一番ですね(^^;。
竹野内豊さんと和久井映見さんのお芝居を時間をかけて堪能してください。

次クールのドラマもよかったら一緒に楽しんでくださいませ。。。

by ジャニスカ (2012-07-01 23:20) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0