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2014年第4四半期のドラマ [ドラマレビュー]

2014年の第4クール、私が最後まで視聴したドラマの一覧と評価です。

TermTitleStationCastScriptDirectorRatingOwn Rating
4さよなら私NHK永作博美、石田ゆり子岡田惠和黒崎博4.52%★★★★★
素敵な選TAXI関西テレビ竹野内豊バカリズム筧昌也10.34%★★★★
キャロリング~クリスマスの奇跡~NHK(BS)三浦貴大、優香鹿目けい子塚本連平-★★★☆☆
きょうは会社休みます。日本テレビ綾瀬はるか、福士蒼汰金子茂樹中島悟16.00%★★★★★
NのためにTBS榮倉奈々、窪田正孝奥寺佐渡子塚原あゆ子9.02%★★★★
ボーダーラインNHK小池徹平宇田学石塚嘉6.90%★★★★
ダークスーツNHK斎藤工荒井修子伊勢田雅也%★★☆☆☆
------------------ < 参考 > ------------------
ナイフの行方NHK松本幸四郎、今井翼山田太一吉村芳之5.00%★★★★★
 ※ 脚本担当者が複数いる作品については、トップクレジットを表記した。 ※ 視聴率は全話の加重平均値(ビデオリサーチ社、関東地区)。

ジャニスカ的最優秀作品賞
 『 きょうは会社休みます。』
(日本テレビ)
 
 <優秀作品賞>
『さよなら私』
(NHK)
 

【 作品 】 今クールは先に最終回を迎えた『さよなら私』の方を上位にとるつもりでした。しかし、『きょうは会社休みます。』の第9回を観終わった時点で、連続ドラマならではの終盤の盛り上がりとその真ん中にいる心地よさのようなものを感じ始めました。そして、ある種の予定調和なんだけれども、誰もが期待していた結末に到達する「完璧な最終回」を目の当たりにして、純粋に「見たかったもの」を魅せてくれた『きょうは会社休みます。』を今クールの最優秀作品とすることに決めました。ただし、作品の総合的な完成度で言えば『さよなら私』は傑出したクオリティでした。

ジャニスカ的最優秀脚本賞
 岡田 惠和
(『さよなら私』)
 
 <優秀脚本賞>
金子 茂樹
(『きょうは会社休みます。』)
 

【 脚本 】 『さよなら私』は、夫婦、親友、親子、不義の恋慕と、あらゆる人生に普遍的に存在する様々な人間関係が盛り込まれていましたが、最終的にはシンプルに「友情の物語」としてまとめられ、大変清々しい余韻を堪能させてくれました。一言では言えない複雑なメッセージ性を感じる作品でしたが、あまり大上段から構えずに我々の日常に寄り添ったメッセージが込められているところが岡田さんらしい作風だなぁという気がします。『さよなら私』というタイトルは我々が想起していたものを超え、とても深淵でした。金子茂樹さんは「プロポーズ大作戦」の印象が強くて、それ以来あまり高く評価したことがありませんでした。その印象は「SUMMER NUDE」で決定的になったところがあって、今回も「ああ」という感じだったんですが、ふたを開けてみれば、けっこうエッジの効いた台詞がバンバン出てきて、唸ることが多かったです。原作コミックから引用した台詞の可能性もありますが、だとしてもはめ込み方が上手です。

ジャニスカ的最優秀監督賞
 中島 悟  狩山 俊輔
(日本テレビ/『きょうは会社休みます。』)
 
 <優秀監督賞>
黒崎 博・田中 正
(NHK/『さよなら私』)
 

【 演出 】 私は日本テレビの中島組というのをあまり評価したことがなくて、やや大味というか繊細さに欠ける作風が多いという印象を持っていました。近作では昨年の「ダンダリン」、本年の「戦力外☆捜査官」などは最低の評価としたところであります。ただ、『きょうは会社休みます。』の演出についてはフジテレビのディレクターほどのではないにしても、かなり細かいところまで配慮が行き届いていて、早い時期からこれまでとは異なる認識を持って観ていました。毎回必ず付随する定番シーンだった花笑の妄想シーンの演出には遊び心が感じられていつも笑わせてもらったし、主人公の気持ちの動きをしっかりと追うことができたのは演出によるところが大きかったと思います。また脇役陣にも我々が感情移入するポイントをしっかり作っていて、マモルをも愛すべきキャラクターに仕立てた点は評価しています。これは以前から感じていたことですが、中島監督は音の使い方がとても上手ですね。このあたりはさすがベテラン演出家という感じがします。

ジャニスカ的最優秀主演男優賞 ジャニスカ的最優秀助演男優賞
該当者なし 窪田 正孝
(『Nのために』)
<優秀主演男優賞>
小池 徹平
(『ボーダーライン』)
竹野内 豊
(『素敵な選TAXI』)
 <優秀助演男優賞>
福士 蒼汰
(『きょうは会社休みます。』)
浅野 和之
(『きょうは会社休みます。』)

ジャニスカ的最優秀主演女優賞 ジャニスカ的最優秀助演女優賞
綾瀬 はるか
(『きょうは会社休みます。』)
 佐藤 仁美
(『さよなら私』)
<優秀主演女優賞>
永作 博美
(『さよなら私』)
石田 ゆり子
(『さよなら私』)
榮倉 奈々
(『Nのために』)
 <優秀助演女優賞>
高畑 淳子
(『きょうは会社休みます。』)

【 俳優 】 今クールのテレビドラマの顔が綾瀬はるかちゃんだということに異論はないでしょう。大河ドラマの後でしたが、もはや安定のコメディエンヌぶりは健在でした。視聴者の共感を得て、さらに応援されてなんぼの主人公でしたから、テクニックでカバーできない要素も多分にあったと思います。そういう意味ではこの役の条件で彼女の存在感に比肩する女優さんはそう多くはいないでしょう。ただし、総合的なお芝居の完成度で言えば、永作博美さんの存在感も圧巻でした。映画で経験値を重ねてきた女優さんがテレビドラマに登場してくると、いわゆるテレビ女優をいとも簡単に凌駕してきます。佐藤仁美ちゃんは主人公二人をつなぐきわめて重要な役柄でしたが、単なる引き立て役にとどまらず、岡田脚本が彼女の役に与えたドラマもしっかりと演じきってくれました。特に二人の息子との関係性を描くシーンでは涙があふれました。窪田正孝くんは福士蒼汰くんのような派手さはありませんが、ナイーブな役をやらせると本領を発揮します。観る者の想像力を掻き立てるお芝居をする俳優さんで、ポスト綾野剛と言ったところでしょうか。狂気も演じられる稀有な俳優さんです。

ジャニスカ的最優秀音楽賞 ジャニスカ的最優秀主題歌賞
得田 真裕
(『きょうは会社休みます。』)
得田真裕/「一方的な片想い」
 槇原 敬之/「Fall」
(『きょうは会社休みます。』)
槇原 敬之/「Fall」

【 音楽 】 得田真裕さんの音楽を聴いたのは今作が初めてでした。ピアノメインの軽い曲調を基本として、いろんなタイプの楽曲を聞かせてくれました。タイトル出しで使用された曲はポップな印象でラブコメというドラマの方向性を明確に打ち出してくれました。リンクを張った「一方的な片想い」はピアノのメロディが印象的で覚えている方は多いと思います。私は第9回の終盤と最終回の冒頭で使用されたちょっぴり切ないピアノ曲(曲名不明)を気に入っています。主題歌については、毎回しっかりとラストで使用されて演出にも大きく貢献した槇原敬之さんの「Fall」です。ドラマの主題に合致した歌詞も良かったし、テンポの速い曲でストーリー的にも次回に向けて大きな拡がりを感じさせてくれました。

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