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(6)月の恋人 ~Moon Lovers~ [ドラマレビュー]

『月の恋人 ~Moon Lovers~』
第6回

(2010年 フジテレビ 放送回数未定)
演出:石井祐介 脚本:浅野妙子 出演:木村拓哉、篠原涼子、リン・チーリン、松田翔太、北川景子
          Official Wikipedia / TV Drama DB          

第6回視聴率、13.4%。
「サッカーワールドカップ(オランダ×デンマーク)」の影響だけではないような・・・
前回から視聴率が4.0ポイントも下落したということは、
今回から見るのをやめた人がそれだけ存在するということで、
ワールドカップは、このドラマを見るのを止める「いいきっかけ」になってしまったかもしれません。
ムリして見てた人、結構いたと思うので・・・(^^;
来週は放送休止で、1週空いてしまうのもかなりのマイナス要素で、下落に歯止めがかからない可能性もあります

主人公が窮地に追い込まれるという展開の今回ですが、どう考えても主人公の「身から出た錆」であり、
これまでも再三触れてきた杜撰な描写が連発した会社経営のパートがこのための伏線だったとすれば、
至極納得がいくところではありますが、そのあたりは極めて稚拙なドラマの作り方だったという思いに変わりはありません。

事故製品を生産した上海工場の人件費を削る一方、自分はホテル住まいというご身分で、
今回の不祥事をもってして、なおも経営責任者がその地位に納まっているとは、厚顔無恥もいいところです。
次回はいよいよ解任されるようですが、自分で幕引きもできないところに
結局最後まで主人公の経営者としての「極貧の資質」と「ダサさ」のみが印象に残ってしまいました。
いっけいさんが辞表を提出したときに「私が辞めます!」と言えたら、これまでの経緯はすべてチャラだったんですけどね。

さて今回は何の脈絡もなく突如として主人公の母親(倍賞美津子)が登場しましたが、
ストーリー上はシュウメイを紹介するためということになっています。
しかし実際には二人が顔を合わせることはなく、私は今後も二人に接点は生まれないのではないかと考えています。
今回の主人公の母親の登場が意味するところは、主人公との関係でシュウメイに遅れをとっている真絵美の存在を
一躍有力な主人公の恋人候補に引き上げる役割を果たしているような気がしています。

上京してきた母親を真絵美が迎えにいきますが、
私はレゴリスのショールームでの二人の何気ない会話からちょっと深読みをしてみました。
母親がダブルベッドを見つけて、

「ひとりじゃもったいないかな?」
「そんなことないですよ、こういうベッドはね、ひとりでも気持ちいいんですよ」

これは二人が「ダブルベッドをひとりでも平気で使用できてしまう」という特殊な価値観を共有していることを表現していて、
演出的にもベッドに並んで腰掛ける二人を正面から捉えてズームインしていくショットには、
「二人の相似」という意味合いが込められていたと思います。
もっというと、二人の衣裳が「ゆったりとしたインナーに、シャツを羽織って腕まくり、パンツルックに肩掛けかばん」という
よく似たタイプのものだったところにも、この二人についての確信犯的な演出を垣間見ました。
いわゆる「馬が合う」というこの二人の関係性は、今後の主人公と真絵美の関係に重要な影響を及ぼしそうです。

また、今回は主人公の「オレは生き方を変えられない」という台詞が強く印象に残りましたが、
このことが主人公の過去とつながっていることは間違いなく、おそらく母親がキーパーソンとなって来るでしょう。
なぜ主人公は「生き方を変えられない」のか、
このドラマにおける主人公のアイデンティティ(存在価値)を決定付ける重要事項ですので、
視聴者としてはそれなりの理由を要求するし、注視していきたいところです。

それと、今回はシュウメイが帰国してしまいましたが、
次回予告にまったくシュウメイが登場しなかったのは、どいういうこと?
次回以降は一転して、主人公と真絵美を急接近させようという製作者の意図が見えます。

来週は「サッカーワールドカップ」のため放送休止です。
次回(6月28日)の視聴率予想、14.0%。

(追記)
「ワールドカップサッカー・オランダ×デンマーク」(NHK)の視聴率は、前半が、17.8%、後半が、21.3%でした。
「ワールドカップサッカー・日本×カメルーン」(NHK)の視聴率は、前半が、44.7%、後半が、45.2%でした。

関連記事 : (1)月の恋人 ~Moon Lovers~
(2)月の恋人 ~Moon Lovers~
(3)月の恋人 ~Moon Lovers~
(4)月の恋人 ~Moon Lovers~
(5)月の恋人 ~Moon Lovers~
(7)月の恋人 ~Moon Lovers~
(8)月の恋人 ~Moon Lovers~


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コメント 4

テンコ

こんにちは。
ワールドカップの影響で下がったと言い訳できそうですが、この内容では下がっていくのは当然でしょうか…。

蓮介のだめさ加減を再三強調、ますます魅力のない人間に見せていますね。

蓮介の母と真絵実のシーン、なるほどです。
2人ともとっても似た雰囲気でしたね~。
そして気も合いそうだと、表現したかったわけですね。

私はあまり他の篠原涼子さんのドラマを見たことがないのですが、彼女はこんなにいつも髪の毛をかきあげたり、いじってたりするのか?妙に気になってしまいました。こういうキャラを作っているのでしょうけれど…。

風見はライバル社とつながっていて、かつミン(阿部力)ともつながっていたんですね??

ところで、私は松田翔太と阿部力が一緒だと「花より男子」のF4みたいでちょっとうれしかったりしました。

キムタクは肌の張りがなくなり、目の下にしわがあり、あごも少したるんで、老けた印象なので、ますます若者風の崩したファッションが似合っていないような気がしてきました。やっぱりここはぴしっと普通のスーツにすれば締まった印象になると思うのですが…。スタイリストさんが悪いのかな?


by テンコ (2010-06-15 15:35) 

ジャニスカ

テンコさん、こんにちは。nice!&コメントありがとうございます!

主人公の母親と真絵実の関係ですが、ちょっと本文を補足しておきます。
私はこのことはただ単に母親が真絵実の恋を後押しするという意味以上のものがあると思っています。
男性が無意識のうちに女性に対して「母性」を求めてしまうのは世の常で、
主人公が恋愛面で最終的に行き着く要素が「母性」だとすれば、
母親とそっくりな性格の真絵実はそれだけでアドバンテージを持っているということになります。
その意味で、あのシーンは主人公と真絵実を結びつける重要な伏線になっていると考えられます。
このドラマの脚本と演出を振り返ると、中盤にして初めて製作者を褒めてあげたいシーンとなりました。
この「深読み」がハズレていたら、いよいよこのドラマは目も当てられないわけですけど・・・(^^;。

私も篠原涼子さんのお芝居をがっつり見るのは久しぶりなんですけど、
いつのまにか世間の評価が「本格派女優」になっていることに若干の違和感を覚えています。
元々は小室さんプロデュースで歌ってた人ですからね。もっと言うと「ごっつええ感じ」ですから(^^;。
このドラマでは独特のリズムがあるセリフ回しが山口智子さんを彷彿とさせますが、
そのような役作りが良いものなのか悪いものなのか、判断しかねているところです。

一方で木村拓哉さんが精彩を欠いているのは、
容姿の印象も含めて、彼の役作りに問題があると断定してしまっていいと思います。
演出家がどうこう言えるレベル(必ずしも実力のことではない)の俳優さんではないと思うので。
木村さんの俳優人生において重要なターニングポイントとなりそうなドラマになりました。

私はこのドラマについては自分なりに楽しめる要素を見つけようと必死ですが(^^;、
次回以降もそのような私なりのオリジナリティのある視点を提示できたらと思っています。
また遊びに来てください!
by ジャニスカ (2010-06-15 18:17) 

ジャニスカ

musemistyさん、nice!ありがとうございます!
またお立ち寄りください。
by ジャニスカ (2010-06-15 18:20) 

ジャニスカ

うつマモルさん、nice!ありがとうございます!
またお立ち寄りください。
by ジャニスカ (2010-06-15 18:21) 

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