(4)月の恋人 ～Moon Lovers～ [ドラマレビュー]
『月の恋人 ～Moon Lovers～』
第4回
（2010年 フジテレビ 放送回数未定）
演出：石井祐介 脚本：浅野妙子 出演：木村拓哉、篠原涼子、リン・チーリン、松田翔太、北川景子
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第4回視聴率、15.5%。
総合的にはこのぐらいのレベルのドラマだと思います。
内容だけ評価すれば、もっとうんと下ですけど。
私はこのドラマについてはもはや粗探ししかするつもりはありませんが、
このドラマの致命的な欠陥は、主人公のキャラクターに矛盾が多いということでしょうか。
そのことを「謎が多い」とか「何を考えているのかわからない」キャラクターと言ってしまえば聞こえはいいですが、
私には製作者がこの主人公のキャラクターをもてあまして（取り扱いに困って）いるように見えます。
たとえば、前回も触れましたように、主人公の経営者としての才覚に疑問符がつくような描写が目立ちすぎて、
主人公のベースとも言えるキャラクター設定だったはずの「やり手の社長」という要素がブレまくっています。
上海進出プロジェクトの失態（？）で、主人公に能力不足（？）を指摘された社員・嶺岡康之（川平慈英）が、
いよいよ辞表を提出（なんとまだ辞めてなかった！？）しましたが、それについての主人公のセリフ：
「守秘義務契約を結んでいただければ、退職金に上乗せして・・・」
おいおい、守秘義務契約結んでなかったのかよ！
一般論として、一流企業、しかもメーカーが入社時に従業員と守秘義務契約を結ばないなんてことがあるわけもなく、
これは、主人公の経営者としての資質と「統制力を疑わせることになる」とてもカッコ悪いセリフだと思います。
しかも、事実上自分でクビを切ったに等しい状況で（しかも自信ありげに）、今更「守秘義務契約」って・・・
この社員が広告のアイデアをライバル会社に漏洩した結果、主人公の会社が大混乱するのが今週のあらすじですが、
こんなの「身から出た錆」以外の何者でもないですよね。
そして、パクりが発覚したときに主人公があろうことか部下の前で、
「嶺岡さんもやってくれますよねぇ・・・」
とつぶやきますが、これは自分のミスを部下の前で認めたに等しいもので、
この時点で、部下に経営者としての危機管理能力の欠如を指摘されて、解任動議が提出されてもおかしくありません。
しかし、信じられないことにこの会社は（公開）株式会社ではないらしく、
（だとすれば、海外進出の資金をどうやって調達したのか？）
社内に経営者に対しての不満が蓄積しても、主人公が経営責任を追求されることはありません。
もっともこの危機を主人公自身のアイデア（？）で乗り切ってしまったわけですから、
ストーリー上は、オールオーケーなんですけど、
少なくとも主人公がまったく「やり手の社長」なんかではないことがハッキリしてしまいました。
さて、今回は日本人のプライドにかけて絶対に糾弾しておかなければならないセリフがあります。
蔡風見（松田翔太）が二宮真絵美（篠原涼子）に「仕事観」について語り始めますが、
「日本人って、キツイ仕事すぐ辞めるし、自分のためにしか働かない」
おいおい、中国人に言われたくないよ！
というよりも、腹立たしいのはこのセリフは日本人の脚本家が書いたものであるということです。
明らかに一般的な日本人に対するイメージとは真逆であるし、
仕事に対する勤勉度が、「中国人＞日本人」という描写は、日本人のプライドにかけて否定しておきたいところです。
このシーンは、初めて蔡風見というキャラクターの核心に触れる重要なシーンだったと思います。
蔡風見については、このドラマの登場人物の中で唯一、辛うじて魅力を感じることができるキャラクターでしたが、
彼のキャラクターのベースに存在する日本人に対する認識がこれとは残念すぎるし、先が思いやられてしまいます。
ドラマを成立させるためには日本人としてのプライドも捨てるという製作者の「なんでもあり」の姿勢を再確認しました。
来週の視聴率予想、16.0％。
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(8)月の恋人 ～Moon Lovers～
たくぞーさん、nice!ありがとうございます！
今の月９がこんなんですから(^^;、
早くも『夏の恋は虹色に輝く』が待ち遠しい今日この頃です！
by ジャニスカ (2010-06-03 21:20)