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(7)大切なことはすべて君が教えてくれた [ドラマレビュー]

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『 大切なことはすべて君が教えてくれた 』
第7回
( 2011年 フジテレビ 公式サイト
演出:関野宗紀 脚本:安達奈緒子 出演:戸田恵梨香、三浦春馬、武井咲

正直なところ本格的に、いや絶望的につまらなくなってきたな、というのが今回の感想です。
「3ヶ月前」といって突然「こんなことあったんですよぉ」と言われても困ります。(←冷ややかに、、、)
しかも、上村夏実(戸田恵梨香)のお見合い相手、
山下有悟(福士誠治)が抱える事情に我々はどんなリアクションをすればいいのでしょうか。
だから夏実が妊娠していると聞いて「運命を感じた」と言ってしまうのは、ぶっちゃけすぎだろう。
これには普通はドン引きだと思うんですけど、夏実ちゃんはわりと平気らしい・・・ホントどうしましょ、、、(^^;
このタイミングで夏実の前に別の男性が現れるのは、
あきらかに夏実は最終的に柏木修二(三浦春馬)と「くっつくフラグ」でしょう。
私は、序盤に佐伯ひかり(武井咲)の病気について明らかになって以降、
その病気のことを前面に出して描かないことを好感を持ってみていたのですが、
こういう形で「不妊」というキーワードを押し出してこられるとさすがに呆れてしまいます。
このドラマを観るモチベーションは今週をもってガクンと落ちました。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

このドラマのストーリーについて語る余地も価値もないことを考えると、
演出面を掘り下げるしかないと思っていたんですけど、今週の演出担当者は関野宗紀さんということで、
これと言って特筆すべきシーンはありませんでしたので、私がこのドラマを観続ける唯一のモチベーション、
佐伯ひかりを演じている武井咲ちゃんについて私が感じていることを書きたいと思います。

私が武井咲という女優を初めて認識したのは、『櫻の園-さくらのその-』(2008年 松竹)という映画でした。
これはオスカープロモーションが社運をかけて映画事業に参入して、
興行的にはリアルに大失敗した映画なのですが、個人的にはとても好感を持っている作品です。
今作は漫画原作があって、1990年の映画『桜の園』(アルゴプロジェクト)のリメイクということになります。
でも、全然内容が変わっていて、プロットは同じでも描いてるテーマはまったく別物で、
リメイク版はいい意味でただの「青春映画」になっていました。

この映画で、福田沙紀ちゃん演じる主人公のかわいい後輩を演じていたのが武井咲ちゃんでした。
この役は1990年版では超重要な存在だったのですが、完全に「かわいい」ポジションに特化していました。
これは今思えば非常に意味深なキャスティングで、オスカープロモーションのアーティスト戦略が垣間見えます。

オスカープロモーションといえば「国民的美少女コンテスト」で有名ですが、
このオーディションが輩出したタレントは、一様に女優の道を歩んでいきます。
近年女優さんとしてもっとも成功したのが米倉涼子さんで、いつの間にか本格派女優の地位を確立していました。
私は『流れ星』(2010年 フジテレビ)をみて、「ポスト米倉涼子」が上戸彩ちゃんであることを確信したのですが、
おそらく事務所の戦略としては、それに続くのが福田沙紀ちゃんで、
さらに続くのが武井咲ちゃんなのではないかと想像しています。

これは、この映画のキャスティングによく表れていて、
特別出演として米倉涼子さん、上戸彩ちゃん、主演が福田沙紀ちゃん、かわいい後輩が武井咲ちゃんとなっており、
これはオスカープロモーションのアーティスト戦略の縮図とも言えるものではないでしょうか。
福田沙紀ちゃんはこの映画がぽしゃったこともあって、残念ながら急速に女優としての存在感を薄くして、
最近は歌手活動にも力を入れているようですが、彼女と入れ替わるように台頭してきたのが武井咲ちゃんだと思っています。
福田沙紀ちゃんが卒業(降板)したラジオ番組で、彼女の後を襲ったのが武井咲ちゃんだったのも象徴的でしょう。
米倉涼子さんも上戸彩ちゃんも本格的に女優業を始めるや、テレビドラマに出倒しましたけど、
年内のドラマ出演が主演も含めて決定している武井咲ちゃんは今まさに先輩と同じ道を歩んでいるということになります。

以上は客観的事実に基づく考察ですが、
主観的なことを言わせてもらえば私は武井咲ちゃんに心酔しているというのが正直なところであります(^^;。
あの『櫻の園-さくらのその-』の子が、こんなにしっかりとしたお芝居をするようになったのかぁ・・・という感慨は、
彼女に対する思い入れが強くなる理由としては十分ですよね?^^;
長年にわたってたくさんの映画やドラマを観ていると、こういうことはよくあって、
最後の忠臣蔵』(2010年 東宝)で取り上げた桜庭ななみちゃんなんかもそういう印象で見ています。
また、『ロボコン』の長澤まさみちゃんが『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年 東宝)で素晴らしい魅力を発揮したときも、
まったく同じ気持ちなって、この映画を繰り返し観ているうちに「他人じゃない」気がしてきたことがあります。

その長澤まさみちゃんと武井咲ちゃんが出演したロッテガーナチョコレートのCMは、
個人的には夢の競演だったんですけど、この二人が今週はラジオ番組でも共演する予定です。
興味がある方はぜひご聴取してみてください。正直かなりヌルイ内容ですが^^;、雰囲気を楽しめればいいかなと。

ニッポン放送 日曜22:00~ 『長澤まさみSweet Hertz』

今回はドラマについては書くことがありませんでしたので、こういう形をとりました。
今後も書くことがなければ、どうしようもありませんので、ここまで毎回書いてきたこのレビューもどうなるかわかりません。
書くとすれば演出なんだけどなぁ・・・でもこの内容だからなぁ・・・どうすればいいでしょうか、、、

関連記事 : (10)大切なことはすべて君が教えてれた(2011-03-30)
(9)大切なことはすべて君が教えてれた(2011-03-24)
(8)大切なことはすべて君が教えてれた(2011-03-09)
(6)大切なことはすべて君が教えてれた(2011-02-23)
(5)大切なことはすべて君が教えてれた(2011-02-16)
(4)大切なことはすべて君が教えてれた(2011-02-09)
(3)大切なことはすべて君が教えてれた(2011-02-01)
(2)大切なことはすべて君が教えてれた(2011-01-25)
(1)大切なことはすべて君が教えてれた(2011-01-18)


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やすこ

ジャニスカさん こんばんは。

私、実は福士誠治さんが、結構好きなんです。彼はこの前の月9の出演も少々残念だったし、またこんなことになってしまって、とてもこれ以上観ていられない気持ちです。どうすればいいんでしょう!
by やすこ (2011-03-03 23:40) 

むーにゃ

ジャニスカさん、ついに書くことがなくなってしまいましたね(笑)
私も、新たな人物登場に、目が点になってしまいました。
それも、結構、重要な関わりになっていくような・・・

このドラマって、最初から結末までのお話ができていて、撮影が始まったのでしょうか?
それとも、放送しながら、展開をその都度考えて作っているのでしょうか?

うーん、制作者は何をどんな風に伝えたいんでしょう?
なんか、???ばっかりになってしまいました。

ところで、『櫻の園-さくらのその-』に武井咲ちゃんが出ていたんですね。まだ出たばっかりの新人さんだとばかり思ってみてました。その割には、演技がうまいなぁ~とは思いましたが。

ところで、ジャニスカさんのレビュー『櫻の園-さくらのその-』にYouTubeが貼ってありますよね。映画は、まだ観ていないのですが、主題歌のスピッツの♪若葉、が映像にすごくぴったり合っていて、本編を観ていないのに観た気になってしまいました。
私は映画やドラマを観る際に、原作を先に読んだりしないので、この映画も原作と比べることなく楽しめそうなので、今度観てみようと思います。

ジャニスカさんの 「(8)大切なことはすべて君が教えてくれた」のレビュー楽しみにしていますので、次回もぜひ、よろしくお願いします。
by むーにゃ (2011-03-04 06:56) 

ジャニスカ

やすこさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
福士誠治くんは、あまり饒舌な役柄は似合わないかなと思っています。
『女の子ものがたり』という映画を観てそのことを強く感じました。
私は、彼は時代劇の方が映える俳優さんだと思っていて、
切れ長の目としょうゆ顔で物言わぬ表情の方が説得力があると思います。

ドラマについては「観ない」という選択をしても構わないと思います。
私は「ドラマ作品として」は観る価値はないと、とっくの昔に見切っています(^^;。

by ジャニスカ (2011-03-04 19:07) 

ジャニスカ

むーにゃさん、こんにちは~。ホントに何と言っていいかわかりませんねぇ、、、(^^;
ドラマによって作り方は異なるので、想像の域は脱しませんが、
フジテレビのドラマは脚本がすべて出来上がっていない状態で撮影が始まることが多いようです。
それは、視聴率の推移を見て視聴者のニーズに柔軟に対応するためということもあると思います。
でも、今回の展開は視聴者のニーズに応えるものとは到底考えられませんから、
作り手は最初から「不妊」というちょっときわどいキーワードを入れ込むことで
視聴者の関心を引けると考えていたのではないでしょうか。
これがひかりちゃんだけの問題ならそんな風には思えなかったんですけど、
今回のことで作り手は「不妊」を物語を展開させるために安易に利用したという印象を持たざるをえません。
一言で言えば、悪質なドラマです。
このドラマのプロデューサーは医療ドラマを手がけてきた方たちなので、
その方面の要素を入れたかったのかもしれませんが、
これをラブストーリーで扱うにはもっと繊細な気遣いが必要だと思います。
おっしゃるようにこのことをもって何を伝えたいのかが重要なはずですが、
現段階では「不妊」をドラマ制作上のひとつのツールとしてしか考えていないように思われます。

武井咲ちゃんは女優さんとしてはまだ出たばっかりの新人さんですよ(^^)。
『櫻の園-さくらのその-』はデビューしたばっかりの頃ですから、
おそらく訳もわからずお芝居をしていたと思います。
御自身でおっしゃっていましたが、もともとはモデル志望でお芝居をするなんて思いもよらなかったそうです。
それなのにここまでの存在感を示しているのがすごいところで、
彼女は今まさに女優としての自覚が芽生え、お芝居の楽しさ、奥深さを知って、
すごい勢いで女優としての表現力を吸収しているところだと思います。
以前も書きましたが、彼女はお芝居に対する勘がとてもいい子なんだと思います。
ディレクターの指示をなんとなくでも理解して、やってみたらできちゃうタイプだと思います。
私も若い子に仕事を教えていたことがあるんですけど、そういう子っているんですよ。
『GOLD』の早乙女晶も特異なキャラクターだったし、
佐伯ひかりという役だって彼女のキャリアで演じるには決して簡単な役柄ではありませんからね。

『櫻の園-さくらのその-』のレビューに予告編ではなくてあの動画を貼り付けたのは、
まさに作品の世界観を的確に表現していたからです。
本当にスピッツの『若葉』がぴったりの映画なんですよ。
私はこの映画の雰囲気が好きです。舞台が女子高だからですかねぇ。。。(^^;
でもかなり王道の青春映画なんです。
若い人を応援したいと思っている人には感情移入しやすいのではないでしょうか。
杏ちゃんも出ているんですけどこの頃は渡辺謙さんの娘さんなんて知らずに観ていました。
機会がありましたら1990年版もぜひご覧になってみてください。
映画としてのクオリティは断然こちらの方が上です。
同じ監督なんですけど、全然違うものに仕上がるんですね。面白いもんです。

このドラマの演出にはぜひ触れておきたいんですけど、
ストーリーがあっての演出ですから、どんなに素晴らしい演出があっても、
そもそも表現していることが気持ち悪ければ、褒めようがないんですよね。
ご期待に沿えるよう「何か」は書くつもりです。風間杜夫さんのことでも書こうかなぁ、、、(^^;

by ジャニスカ (2011-03-04 19:21) 

テンコ

ジャニスカさん、こんにちは。
ついに…絶望的につまらなくなってきましたね?
私も副士君が結構好きなので、こんなところに出てきて残念と思いましたが、
ひかりと修二と夏実の顔のアップばかり、緊迫した感じでずっと見せられていて、飽き飽きしていた所、彼が出てきてちょっとホッとしました。
それからメガネの同級生が出てきたのも、まあまあ。
あくまでも画面的には、です。
セリフがやたらに説明的なので、これなら静止画の朗読劇で十分じゃないでしょうか。
映像の美しい場面もないし、キーアイテムもないので、特に画面にひきつけられる要素がないのです。ひかりちゃんの美しい顔だけでしょうか。

先日嵐の番組に彼らが出ているのをちらっと見かけました。もう収録も終わったのでしょうか?ゲームをやっていましたが、心なしか主人公の三浦春馬君と戸田恵梨香ちゃんのお2人が元気なく見えました。
by テンコ (2011-03-06 14:44) 

ジャニスカ

テンコさん、こんにちは~。
今回の演出はとても単調でしたね。関野さんはこれがまだ2本目のドラマ演出のようです。
私は西浦さんと葉山さんの演出については高く評価しているので、
今日はレビューで取り上げられるようなシーンがあればいいんですけど。

あの「メガネ同級生」はたぶん「当て馬」ですよ(^^;。
ひかりは告白されたことで初めて、自分が「恋をしてもいい」ということを知るんだと思います。
私はそういうポジションの役を「杉村」と呼ぶようにしています。←『耳をすませば』をご参照下さい^^;。
私はあのシーンを観て、まずこの二人がくっつくことはありえないと思いました。

『VS嵐』は私もチラッと観ました。
あくまでもドラマの番宣のための出演だと思うので、まだ撮影は終わっていないと思います。
主演のお二人はもともとどちらかといえばクールな感じなので、気のせいだと思いますよ(^^)。
それよりも武井咲ちゃんの生き生きした雰囲気が印象的でした。
彼女だけは充実した日々を送っているのではないでしょうか。

by ジャニスカ (2011-03-07 19:10) 

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