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ふたりの365日・夏 - NTT東日本 [CMレビュー]


NTT東日本
『ふたりの365日・夏』
( 2010年 /NTTアド= 電通テック=TUGBOAT )
クリエイティブ・ディレクター:岡康道 音楽:Mr.Children「365日」 出演:新垣結衣、中村蒼

          Company site  / Commercial site  / Wikipedia          

今回取り上げるのは、NTT東日本の企業CMです。
このCMが好きというよりも、ただのガッキー好きの可能性もありますが、、、(^^;

新垣結衣ちゃんは、NTT東日本のCMでは、
「フレッツ・光」のCMキャラクターを長らく務めていましたが、今月から企業CMにも登場。
東京メトロのCMでも感じたことですが、彼女はこの種のブランディング広告には適任の女優さんだと思います。

新垣結衣ちゃんが同世代の女優さんの中でもちょっと独特な点は、
そのお芝居が「小手先の自己主張」をしないところで、
そのナチュラルさは、時に「無表情」と捉えられたりもするわけですが、
そんな「たたずまい」の中から生まれる感情表現は、とても説得力があったりします。
その意味では「コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命」の白石恵というクールな役柄はとてもハマリ役だったと思います。

このCMは、前回紹介した東京メトロのCMと同系統の企業CMとなりますが、
近年、何気ない日常に寄り添う企業のブランドイメージというものを表現するCMが増えてきています。
私は、この種のCFでは、映像の細部への思慮が行き届いたとても繊細な演出が要求されると思っています。  

このCMの前半部分では、共演の中村蒼君と併せて、ふたりの「無表情」が徹底して描写されていきます。
この「無表情」は、都会で暮らす一人暮らしの若者の日常をリアルに表現するもので、
駅のホームで食べるメロンパンとか、狭いアパートの部屋にある一人の食卓の風景といったものには、
寂しいですけど確実に存在する「無機質な都会」という社会風刺みたいなものが込められているような気がしています。
個人的には学生時代を思い出して、ちょっと身に詰まされる想いもありました。

 2010080702.jpg 

しかし、その印象は最後の5秒で劇的に転換します。
パン屋さんでパンを買う、というもうひとつの日常の中に、それまでになかった「表情」が生まれるわけです。
二人の目が合った瞬間に生まれるそれぞれの「表情」がとても魅力的に映るのは、
前半部分で徹底して描写された「無表情」との落差であることは間違いのないところでしょう。
そして、二人の目が合ったときの新垣結衣ちゃんの表情がとてもナチュラルで、
その芝居をしていない、媚びていない感じが企業イメージを好印象に導いていると思います。

 2010080701.jpg 

このカット一発でその印象をガラリと変える演出はとても巧みなもので、
ご覧のとおり、すごく微妙な表情の変化なんですけど、その変化を顔寄りではなくて、
あえてこのサイズで撮ることで、押し付けがましくないさわやかな余韻を残してくれます。
そして、この微妙な変化がもたらす余韻は、新垣結衣ちゃん独特の存在感でこそ為せる表現だったと思います。

私がディレクターなら、たぶんこのカットは「顔寄り」にしちゃってたと思います。
だってガッキーなんだもん、フェイスショットでまとめたいと思うのが人情でしょう、、、(^^ゞ。

関連記事 : 東京メトロ 『TOKYO HEART つながる瞬間』


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